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受け子の調達コストが下がってんのか、雑な詐欺がトレンドらしい

職務質問のときに聞いためちゃ断片的な情報をもとに想像を書いてるだけなのでもし間違ってたらTwitterはてブなどで教えてください。

 

今日、道を歩いてたら久しぶりに職務質問でお巡りさんに話しかけられて。犬じゃなかったんですけど。なんだ~、今回も人間か~!人間のお巡りさんか~!と思いながら職質受けたんですけど。

僕そんなもともと職務質問よく声かけられるタイプでもないんですが、お巡りさんに話しかけられるの割りと嫌いじゃなくて。普段は聞けないような面白トークを引き出して、もとを取りにかかるから知らん人と話すことになるのそんなに苦ではなくて。社交性が高いタイプなので、窓側が黒、部屋側が赤なんで、社交性には自信があるんですよ。はぁ?ほんとに?社交性と遮光性かけるやつが本当に社交性高いんか?

いや、本当なんですよ、だって僕リモートワークで家で一人で仕事もそんなに忙しくなくて暇な日に、不動産投資のクソ営業から突然電話かかってきたから、あの手この手でいろんな話題を振って拡げて、1時間つなぎましたからね。そのクソ営業の出身地聞いて、ああ栃木ですか、栃木といえばイチゴがおいしいですね、僕のイチゴの思い出といえば小学6年生の時に~とかずっと喋ってちょっと不動産投資に興味あるフリも混ぜて向こうがしびれを切らして電話切るまで1時間どうでもいい話をしてそいつの時間をがっつり無駄にしてやりましたから。ダメだこいつ社交性の意味わかってないわと思っていただいて差し支えないです。

で、なんや面白エピソードのひとつもほしいな~思いながら職質受けるんですけど、普段の職質とはノリが違うんですよね。はい、身分証明証見せて~、ちょっとカバンの中見せて~じゃなくて、ポケットも財布の中も全部チェックさせてって言われて、いやそれはおかしいやろ、と。なんで歩いてるだけでそこまでされないとあかんのですか、ってちょっとゴネたらお巡りさんもそりゃ自分らのやってることが一般人からしたら理不尽なことは重々承知でやってるのか丁寧に説明してくれて、

 

お巡りさん「今日、この地域で詐欺の通報がめっちゃ多くて、ご協力お願いします~」

僕「いや、詐欺て、なんか振り込め詐欺みたいなそういうやつでしょ?なんでそれで地域の通行人の身体検査なんかしてるんですか。」

お巡りさん「いや、最近はね、振り込め詐欺だけじゃないんですよ~、最近増えてるんですけど」

僕「そこらへんの通行人の身体検査の必要がある詐欺ってどんなんですのん?」

お巡りさん「直接クレジットカードを受け取りに行くんです。最初の電話はクレジットカード会社のフリだったり、百貨店の従業員のフリだったり、警官のフリだったり色々なんですけれども、電話でお年寄りの方々にクレジットカードから勝手に支払いとか引き落としとか発生してるけど心当たりありますかって連絡して、この嘘に引っかかる人にはじゃあ今から担当者がお伺いしますって住所聞き出して、そこにニセの担当者が出向いて、カードを直接受け取って暗証番号も聞き出して、っていう詐欺が今出てきてるんです~」

僕「マジすか、一周して時代を逆行してますね、受け子めっちゃ簡単に揃うとか強盗まで指示されてやるやつがおるとか最近聞きますもんね」

お巡りさん「そうなんですよ~、SNSとかで簡単に集められますしね、それも昔と違って10代から50代60代まで様々なんで大変なんですよ~」

僕「それなら、まぁとりあえず身体検査して、本人以外のカード持ってないか確認してくしかないっすもんね、わかりましたわ、ほな全部渡しますね」

お巡りさん「ご協力ありがとうございます~」

 

みたいなやりとりをしまして。

いや、結構最近で一番日本の治安悪化というか貧困化してるんだなってのを肌で感じたよね。

振り込め詐欺とかだったらさ、半グレの手下になっちゃう人っていうのはせいぜい自分名義の銀行口座を振り込み先として貸すだとか、実際に振り込まれたお金を現金として引き出しに行くだとかそれくらいのリスクを引き受けて手下になるわけじゃないですか。そうじゃなくて、もう直接おうちにクレカとか預金通帳とか受け取りに行くようになってるんだ、っていう驚き。顔も割れてるし、俺みたいに職質捕まったら一発アウトじゃないですか。でも、やるんだな、っていう。

結局これって、それくらい受け子の調達コストが下がってるって話なんだろうな~と思って。オレオレ詐欺振り込め詐欺は最初出てきた時は「なるほど、うまいこと考える悪党がいるもんだな」と思ってたんですけど、比較対象として正しいかはわからないけど、昭和とか平成初期の時代にはたまにあったような現金の受け渡しの時間と場所を指定する営利目的の誘拐なんかに比べたら実行コストも断然低いし、現行犯逮捕されるリスクが低いスキームも作りやすいし、巧妙なもんだな~と思ったんもんですが、更に時代が進むと、逆に巧妙じゃなくて雑になってくるんだ、ってのが本当にびっくりしちゃって。今は振り込め詐欺のセオリーみたいなのもある程度周知されて、まぁ見たこと無いけどATMの前で電話しながらなんかカバンから大金取り出してるお年寄りがいたら、俺だって大丈夫?って声かけるし、銀行の人らも当然声をかけるだろう。

それならもう、そんな失敗リスクを取ってまで懇切丁寧に電話で年寄りを銀行まで誘導する時間コストをかけるよりも(しかもその誘導役は受け子よりももうちょっと賢い組織のなかの偉いやつっぽい気がする、知らんけど)、そいつが捕まったところで知ったこっちゃない捨て駒にちょうどいい、犯罪に手を染めてしまってもいいから俺を使ってカネをくれるやつと出会いたいぜって考えちゃう受け子予備軍を調達するコストの方が遥かに安上がりで、そういう使い捨ての捨て駒をいくらでも調達できるなら、そりゃあわざわざコスパが悪い巧妙な手口なんか使う必要なくて、「今日は絨毯爆撃でこの地域の年寄りに電話してくから、引っかかったやつの家にすぐ行けるようにスーツ来て喫茶店で待機しといて」ってやり方の方がそりゃあ効率はいいのかもしれんからなー。

この前クレイジージャーニーでマリファナを作る人、輸送する人がめちゃめちゃ安く使われてる貧困層みたいなやつを見て嫌だなぁと思いながら見てたけど、対岸の火事の感覚で見たので、そんなことはないんだなぁと思った。

なんかそういうパターンの、捨て駒だからできるような「大胆すぎて詐欺と疑うことを忘れてしまうような詐欺があるらしいよ」っていう、読んだ人にも気をつけてほしいし読んだ人の家族や知人にも教えてあげてほしいよっていうのと、そんな悪い話に乗っかっちゃいけないよっていうのと。あと、この話をとりあえず友人に話したら「その警官ほんもの?財布一回渡したん?クレカのカード抜かれてない?」って言われて、パトカーがすぐ横にあったので疑ってなかったけど言われてみればそりゃそうだと思い財布を確認したが無事だったのでことなきを得た。

誰も疑わなくていい世の中になればいいけど、なかなかなもんで、悩ましいもんです。

 

以上です。