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僕もあなたも世界も玉虫色だと思っている

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この増田書いたの僕なんですけど、そこに顔見知り(会ったことないけどSNS上での顔見知り)のしんざきさんがリアクションしていて、かつ、「大人として、親としてどうなの?」という角度から言われてたので、じゃあ見解は示せるので示します、くらいのやつです。大人だし、一応親だしなぁ。

 

・「自分の基準で納得できない行為について先生に報告する」というのを「告げ口」とか「チクリ」とかってラベリングするのっていじめっ子の論理じゃないの?
・報告/連絡/相談/共有って基本的にいいことだし必要なことじゃないの?
・それをマイナスの方向にラベリングする「小物」という言葉に大人が、あるいは親が賛同しちゃうの?

 

しんざきさんは思ったことを簡潔に要点をまとめるスタイルが常で、今回思ったことは上記の3点らしいですが、僕は簡潔にまとめるのは取りこぼしが発生するので苦手なので以下うだうだと喋ります。ご了承ください。

 

 

「小物」というワードはもともとの増田が使ってたワードでその話題に乗っかるうえでワードを拝借するのは僕の中で自然だったので特に思い入れもないですが、改めて「そういうラベリングはどうなんだ」と言われても、「いや別に小物は小物だよ」と思うところはあります。

僕が増田を書くきっかけになった元増田に関しても、「正義感で別に悪いことじゃない」「ルール違反を告発してなんでそれが悪いのよ」みたいな意見がたくさんありましたが、僕はそもそもそういう「正義の告発」みたいなものが純粋な正義感からの発露であることはごくごく稀でみんなケースバイケースにシームレスに自分に都合のいい時は正義を振りかざすし自分に都合の悪い時はうやむやにするのが常だと考えてるんだと思います。大人も親もみんなそうだし子供だってそうだと思っています。

増田にも書いた通りA君は自分の苦手な肉体労働の時にはサボってました。サボるのは通り一辺に言えば、良くないことです。もしA君が純粋無垢な正義の塊だったとしたら、サボることなんてありえません。良くないことです。しかし彼は自分の不得意から逃げた。ここで留意いただきたいのは、別にちょっと嫌なことから逃げるのは普通の人間らしい振る舞いでそこまで殊更に非難の対象になるとは僕は思いません。人間、そういうこともあるよね。ただ、自分はそういう風な逃げを打ってルールからの逸脱をやっておきながら、他人のことになると自分が得意で苦じゃない領域になると、そのルールから逃れようとするやつを糺弾したがる態度ってのは、それは褒められたもんじゃないよ、ってのが僕の暫定的な結論になります。

 

性善説性悪説って言葉を昔に中国の口数の多い人が思いついたらしくて今でも教科書に載ってるらしいんですけど、えらい対立してた割には両者の結論は「つまり教育が大事」らしくて結論同じならどっちでもいいじゃんと思った記憶があるんですけど、今回の一連の流れも同じような感じなのかなーとかは思う。子供は純粋で善なんだからルールを信じるんだし大人はそれを揶揄するのはどうなんだと言われても、俺は子供はそんなに馬鹿じゃないよ恣意的にルールを運用するしそれを善性によるものだと寛大に受け止めてやったらつけあがるだけだぜ、と思う。

 

大人だってホウレンソウを大事にしてるでしょ、それをチクリって揶揄するのはどうなのさと言われても、ホウレンソウがすごく健全に機能する環境って全体の何パーセントなのよと素直に思う。もちろんホウレンソウによって色々うまくいくのが理想だと思うし、理想論を青臭いと馬鹿にしたい気持ちもなくて我々は理想論を現実にするために頑張るのがいいと思うんだけど、理想論が理想論と呼ばれるのには理由があって、理想とは程遠い現実がある。そのひとつがルールを恣意的に運用しようとする自分可愛さに根差した振る舞いだ。

 

たぶんしんざきさんとは考えてるシチュエーションが違うんだろうことはわかってるんだけど。そりゃあいじめっこの論理で正当な告発を「チクり」とネガティブなラベリングに押し込めるシーンも世の中にはいくらでもあるんだろうが、それと同じくらい側面的な正義に酔って自分の非を顧みることができないシーンもあるだろうと思っている。後者の方がわかりにくいから厄介だなとも思っている。

 

あとこれは枝葉の話になってしまうけど、俺あれ嫌いなんだよ、なんかたまに見かけるので、「子供が何が正しいか混乱しちゃうから、親で意見を揃えなさい、なんならジジババも意見を揃えなさい、何が正しいかをちゃんと子供が理解できるように、色んな大人が色んな意見を言うんじゃなくて、みんな大人が同じ意見を言ってこれが正しいんだってちゃんと子供に思ってもらえるようにしましょう」みたいなやつあるじゃん、アレが俺すげえ嫌いで、大人にもろくにできてないことを子供にそう思い込ませようとするのが嫌なんだ。しんざきさんのホウレンソウに対する提言にも同じニュアンスを感じて、やっぱちょっと嫌なんだよな。

 

繰り返すに、理想論は目指すべき理想なんだけど、その手前には微妙な現実があり、その現実を作ってるのは自分のしょっぱさでもあり他者のしょっぱさでもあるわけで、安易な正しさに飛びついて自己肯定にブーストかけるよりもおっかなびっくり生きていく方が、俺はいいんじゃないかなと思うので、俺はそういう風に生きていくとしか言いようがない。

 

以上です。