ふつうに水飲もう思ってテーブルに置いたグラスに水を注いで手にとって持ち上げようとしたら底抜けたんだけど、グラスってこんな消耗の仕方すんの?30年生きてきて初めて見たわ。 pic.twitter.com/SxBq0cBadZ
— ズイショ (@zuiji_zuisho) 2017年9月24日
いつだったか何気なく買ったグラスが何でもない時に何気なくこんなふうに壊れちゃって、グラスとしての機能を失って、それはいわゆる俺らでいうところのさよならだった。
僕はあんまり家で何で水を飲むかなんて考えない人間だからさ、グラスを買うって行為は水を飲むのとおんなじくらい大事にしていないんだ。
俺がこのグラスを買ったのはいつだったかな。
きっとグラスが家に足りなくなった時だ。
壊しちゃって失くなっちゃって、失くなっちゃったぶんを補充して、そしてこいつがきっとやってきて。
こいつには何の思い入れもないけど逆算するとそうなるんだよな。
壊しちゃって失くなっちゃって。
たぶんグラスってのはそういうもんなんだよな、と思う。
俺の手から滑り落ちて、なぜかというと
なぜかというと俺の手から滑り落ちたから
グラスは叩きつけられて砕け散っちゃってさ。
そういえばグラスってそういうもんだったって思ったら
もしかして初めてグラスの寿命を見届けたのかもなとか思って。
俺の手は滑らなくて、俺とグラスの間に間違いは偶然にひとつも起こらなくて。
間違って壊れることないグラスの最期がこれなのかって思ったんだよな。
よくできてるよ。
手が滑って落っこちちゃって、砕け散っちゃって、もう二度とは元には戻らなくて、
そんなのヤダなってみんなビクビクしてるけど
そうならないようにそうならないようにそう思ってそうなるならそんな苦労はないけれど
最期は底が抜けちゃってさ
壊したくないなーって大事にして落っこしたくなくて大事に抱えてたもんは
最期は底が抜けちゃってさ。
抜けちゃって何も注げなくなるんだなぁ、何も受け止めてくれなくなるんだなぁって思って
なるほどってな。
最期は底が抜けちゃってさぁ。
それをこぼしちゃったとは言いたくないんだな。
最期は底が抜けちゃってさ