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団体競技漫画の強さインフレを考える

時間ないけど今書かないと忘れそうなのでザッと。

今ジャンプで『TOKYO WONDER BOYS』っていうサッカー漫画がやってて、読んでてごめん僕の感覚的には「これはきっついなー」と思いながら読んでるんですけど、読んでる中でなんか完全無欠の絶対法則では無いにしろスポーツ漫画の展開運びに関する悪手みたいなもんをちょっと思いついたので。むしろ僕の中で全然まとまってなさそうなので今後漫画好きと酒飲んだ時に喋り明かすために概要だけメモ、とかそういうレベルのお話。

ありがちな展開で「弱小チームに主人公がやってきてそれがキッカケでチームが強くなって勝ち進んでいく」みたいなパターンあるじゃないですか。そういう流れでやっていくにあたって、「チームが明らかに主人公を歓迎していないので、まずは試合でそいつらに実力を認めさせる」って展開もしかするときつくない? 『TOKYO WONDER BOYS』も今まさにそんな感じでやってるんですけど、そういえば『スモーキーBB』もそんな感じだったなと思って、もしかしてそもそも選択肢としてその展開選んだ時点で結構きついんじゃないのみたいなの思って。

「主人公が加入したことでそこからメキメキと強くなる」というその後の流れを考えると、まずある程度最初の段階で「そのチームが弱い」必要があって、そこでしっかりと「そのチームが弱い理由」を詰めておかないとキツいよねみたいなそういう話だと思う。そこを何となく「いや、弱いんです」と漠然に決め打ってしまうと理由は必然的に「対戦相手がそれ以上にめちゃめちゃ強いから」ってことになってしまって、インフレ加速する予感がビンビンすぎるよね。そんな中で、まず「主人公の実力を認めさせる」というパートをやらなくちゃならないので「チームメイトと試合する」を安易にやってしまうと、差し当たって敵役としてチームメイトが立ちふさがるわけですけど、ここで難しいのは今は敵役だけどこいつらは後々共に闘うチームメイトなのであんまり主人公にフルボッコにされるのも具合が悪いわけですよ。あんまりどうしようもなく弱い設定にしちゃうとその後の敵チームと闘っていくパートもずっと主人公がワンマンでねじ伏せる形式でやっていかざるをえないのでそれは流石にちょっときついよねってなるわけです(だってそれってキャプテン翼の序盤的なものを目指すってことになるわけで)。

なので、「チームメイトも結構やるんですよ」って描写を練習試合で入れようかって話になって主人公もそこそこ苦戦しながら何とか勝って実力を見せつけてってなるわけですけど、そうなってくるとやっぱ敵チームと試合する段になった時にインフレがヤバいんですよ。チーム内だけでもある程度みんな実力があって拮抗してたのに、更にそいつらが何とか乗り越えられる敵を設定しなくちゃならないわけで、そうなると敵チームは「一見すると勝てるかわからん」くらいまで強くなっちゃうんで加速がヤバいよね。その敵チームのヤバさが加速していく流れを受け入れて主人公チーム勝たせるってなると、今度はそれってテニスの王子様的なものを目指す展開で無理ゲー感すごいよね。まぁ青春学園はもともと名門なのでちょっと違うんだけど、言ってることは伝わるはずだ。伝われ。

じゃあどう設定すればうまくいくのかって考えるとパッと思いつく一番安易で分かりやすいところで言えば「チームが弱いのは選手層が薄いから」という風に設定してどんどん補強してくパターン。スラムダンクとか、アイシールドとか。どのみち敵チームと闘う前にチーム内で主人公のポテンシャルを見せつけるような下りは絶対どっかで必要になるんだろうけど、それをちゃんとした試合形式でやる必要はなくて、それこそ桜木対赤木みたいな感じで「ものすごい実力者だが環境に恵まれていない奴」を出しておけば「チームが弱い」という前提を崩すことなく「実力者とも渡り合えるすごい主人公」を見せることができて、不要にインフレを加速させることなくうまく話を進めることができる。「選手層が薄かったチーム」を一緒に強くしていく同学年ライバルキャラを使って主人公のポテンシャルを見せるっていうのも無難ながら良い手な気がする(こういう風に逆算して考えていくと全然好きじゃなかったけど『クロガネ』ってしっかりと勝ちパターンに則って進めてたので結構生き残ったのも納得なんだな)。

なんか本当にまとまってない中ダラダラ書き続けてるわけなんだけど、結局スポーツ漫画ってスポーツしなくちゃならないわけで、そうなるとインフレするにも限界があるわけで(それこそ限界値を上げる方向で動くとテニスの王子様とかキャプテン翼みたいになる)いかに、主人公チームのパワーアップをコマメに上げていくか、上限が決まってるなら目盛りを細かくしていくしかないよねみたいな話で、バトル漫画とはまた違った脳みその使い方でストーリーを考えていく必要があるんだなみたいな当たり前の話で。別に「俺の面白い漫画が面白くて、俺の面白くねぇ漫画は面白くない」みたいな糞理論を振り回したいわけじゃなくて、まぁ何にせよ「絶対にやってはならない少なくともかなりの茨の道を覚悟しなくちゃならない悪手」みたいなんは絶対あるからそういうのを探したいだけですよってのは言っときますけど。難しいもんです。まーでもやっぱこうやって考えていくと『俺は鉄兵』とか『柔道部物語』とかあそこらへんが一番おもしれーわ。うわ、最後雑。雑ー。以上です。