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座っておしっこをするということ

世の中には誰に頼まれるでもなく自らの意思で座っておしっこをするナチュラルボーン座りション男子も一部存在しているとのことだが俺にはまったく理解できない。

男は立ちションしてなんぼである。

そこには理由などない。男とはそういう生き物なのだ。男が棒を見つけたら拾ってチャンバラを始めるのとまったく同じ理屈でちんちんという名の銃身が生まれた時からまたぐらにぶら下がっている以上男がより勢いよくよりファラウェイにおしっこを飛ばしたくなるのは理屈抜きに当たり前なのだ。

例えば月並みな話題ではあるがオス犬が片足をあげて電柱におしっこなどをするわけであるがアレには「ここは俺の縄張りなんだからなこんなに勢いよくおしっこを撒き散らしちゃうくらいこのエリアにおいて俺は自由なんだこの野郎」というマーキングとしての意味合いがあるらしい。人間男子においても立ち小便に同様の意味合いがあるのではないかということは想像するに容易い。ましてや先日少し話題にしたとおりで私は北海道の出身である。その出立が私が立っておしっこをすることに強い自尊心を見出すことに何らかの影響を与えていることは間違いない。

何てったって冬になれば一面銀世界である。真っ白なキャンパスにおしっこをばら撒き黄色く染めあげてやった時の達成感、征服感たるやただごとではない。ナポレオンが無理にモスクワを攻め込んだのもやっぱ制圧した後に雪におしっこしたかったからだと思う。そういうわけで日本でサッカー王国といえば静岡という話はキャプテン翼がソースなので本当にそうなのかまったくもって疑問ではあるが北海道や北陸を中心とした雪国は間違いなく立ち小便王国であるといって差し支えないだろう。

こうしておしっこエリートの私はその後も元気よく立ち小便ライフを過ごしていたわけなのだが先日ある事件が起こった。妻が我が家のトイレの便座カバーの刷新を行ったのである。これだけ聞くと別になんということもない話のように思えるかもしれないが、これをキッカケに私のおしっこライフは大きな転換を余儀なくされることとなる。というのも蓋にフィットしているカバーが異常にモフモフしているのである。それに加えてこのようなことになるまで気付かなかったのであるがどうやら我が家のU字型便座はどうもこう、開閉時の支点にあたる接続部分がなんか異常にゆるゆるだったのだ。つまり一家の主たる私が立っておしっこをしてやろうと便座を持ち上げてやった時の「ご主人様が勢いよくおしっこをしている間は上がりきっていてやるぞ」という心意気が非常に儚い。心許ない。結果、現在我が家の便所はU字型便座を持ち上げようとしても蓋を包み込むようにカバーした結果裏側まで回りこんできている便座カバーのモフモフに押し返されて戻ってきてしまう。もし立ったままおしっこをしようとするならばU字型便座が戻ってこないように左手なりなんなりで押さえておしっこをする必要があるのだ。

これには私も大変狼狽した。別におしっこをする時の左手はほとんど添えるだけで実質的な操縦は右手がそのほとんどを握っている。かと言って左手で便座の意気地なしをフォローしながらおしっこをするという体勢はいかにも滑稽でどうにも釈然としない。ビジュアル的にいまいち男らしくない。こうして私は仕方なしで座っておしっこをするという生活に突入していったのである。座っておしっこをする時の私はまるで留守番中の子犬のように寂しそうだ。

私はある時、妻に対してこのような展開になることを織り込み済みで便座カバーを新調したのかと尋ねたが特にそういった意図はなかったらしい。むしろ妻は女性は女性らしく、男性は男性らしくといったやや古風な考え方をもった女性であり、なぜか立ち小便については異常に寛大なところがありどこで仕入れたのか不明な「男性に無理に座りションを強制することは去勢と同じ」というよくわからない格言さえ持ち出す始末である。私は立ち小便ライフに戻りたいと思う一方、この程度の逆境で俺のおしっこの勢いがゆるくなってたまるものかという反骨精神もあるので特に不満を漏らすことなく家での座りションライフをしばらくは続けていくつもりだ。ただし座りションによるある種の去勢効果が事実であったら怖いなという危惧もあるため、近いうちにトイレッツのある居酒屋まで出向き初回マーキングを行ったうえ定期的に勢いが衰えていないかチェックできる環境は整えておきたいなと考えている。もし明らかな衰えが確認された暁にはコンマ3秒で便座カバーを引き裂いて立ち小便推奨アジテーターへのキャラ変更を行う所存である。しかし座っておしっこをすることの悪影響があくまで私の気分的な問題にすぎないのであればやはりこれからも私は座っておしっこをしていこうと思う。

先ほどの「わざと便座カバーを変えたのか?」という話をしていた最後に実は妻がこんなことを言ってはにかんでいた。「やっぱりあれから掃除も楽になったからすごくうれしい」と。嫁が喜んでいるので、そんな笑顔を守り続けてやろうと我慢することもまた、確かに自分の男としての尊厳を育ててくれているような気がするのだ。

そういうわけで「旦那に座りションさせるとお掃除ペーパーの消費量が減る」というただ一点において下記のイベントに参加しているよ!!

私の節約術「セツヤクエスト

http://partner.hatena.ne.jp/setsuyaquest

以上です。