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金払ってでも女子高生とデートしたかったおっさんに思いを馳せる

“女子高校生お散歩サービス”経営者ら逮捕

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131002/k10014970081000.html

こんな事件があったとのことですー。

ざっくり概要としましては金払ったら女子高生とデートできますよみたいなサービスをしてるお店が最近たくさんあるらしいんですけどそれを利用してたおっさんが店長の怖い兄ちゃんに因縁つけられて金を脅し取られてて、なんかその兄ちゃんとか女子高生とかめでたく逮捕されたみたいな話とのことです。

いやーまぁなんか色々悲惨な話でちょっと笑っちゃったんですけど。まずシンプルに恐喝とかしちゃ駄目ですからね。普通に恐喝するだけでも駄目なのに、まぁお金欲しいって気持ちはわからないでもないんですけどまず悪いことしちゃ駄目だし何もそんな哀愁漂うところから毟り取ろうとしなくてもいいじゃないですか。あと、もうちょい相手を機嫌よくさせる搾取とか詐欺もがんばれば色々あるじゃないですか。そこらへんの努力を全部放棄しておっさん恐喝するとかあんまりですよ。いやどっちでもダメなんだけど。おっさんのダメージの話で。

で、やっぱ、被害者のおっさんに思いを馳せますよね。49歳のおっさんが金払ってでも女子高生とデートしたかったって結構すごいですからね。かわいそうなおっさんだなとか馬鹿にするのは簡単ですけど、自分がそのおっさんだったらと考えるとほんと結構すごいですよ。「俺は金払ってでも女子高生とデートしたいぞ」ってなってそれを実行するってある種49年生きてきたおっさんの人生に対するひとつのアンサーみたいなもんですから、そこでこんなひどい目にあったとかもうなんかおっさんの心情を考えるとシュレディンガーの猫なんかメじゃない勢いでこの世のシンプルさと難しさが同時に立ち現れて胃がもんどり返ります。犯罪だからダメなんですけどシンプルに買春とかしてくれてた方が清清しいというか潔いというか、傍から見てても理解しやすいし「そりゃおっさんダメだわあんた」って言いやすいですけど、おっさんはそれはしなかったんですよね。ただ金払ってデートしたんですよ。そこで買春に走ろうとするおっさんを思いとどめたのが彼の内なる倫理なのか、法による抑止力なのか、それは本人に聞いてみないと分からないし些細な問題なのでどっちゃでもええんですけど、そこは我慢できたのにそれでもおっさんは金払ってでも女子高生とデートしたかった。49年生きてきたおっさんはその内なる欲求を肯定し実現を目指し走ったというこの事実。おっさんがどんな人なのか僕には知る由もありません。ただ単に助平心を取り繕いたい一心で法的に問題ないデートでお茶を濁そうとしたのかもしれません。あるいはなんかこう心の温もりみたいなものを希求せずにはいられない状態だったのかもしれません。ただそれだったら場末のスナック行けよみたいな話なりますけどね。ババアの方が断然やさしいに決まってるだろみたいな話なりますけど。でもおっさん49年生きてるんだからさすがにそんなことくらい知ってると思うんですよ。本当に優しくしてくれるのはスナックのババアで女子高生なんてたかだか十数年しか生きていないガキが他人の生活に思いを馳せてちゃんと優しくしてくれるわけなんかなくて金もらえるから相手してくれてるだけで内心は哀れなおっさんを馬鹿にしてることくらいそんなもん49年生きてて気づいてないわけは流石にないんですよそれでもおっさんにはババアじゃなくて女子高生でなくてはならない理由があったんだなと思うわけです。若さゆえの残酷さみたいなものを全部知ってたうえで金払って、一日の終わりには「今日はありがとね」とその女子高生に一言ちゃんとお礼を言おうという心積もりでデートに望んでたんだろうなと思うわけです。それはもうなんかすごいことですよ。法的にはおっさんに非はないし、これは喧嘩両成敗でも自業自得でも別に何でもないだろうと僕は思うわけですが、おっさんだってバツは悪いはずです。奥さんか、息子か、娘か、あるいは親か兄弟か親族か会社の上司か誰かにきっと詰められることもあったかもしれません。あんたは何をしてるんだ、と。あんたそこまでして女子高生とデートしたかったのかと言われてるかもしれません。もしそれに対しておっさんが血の涙流しながら歯ぁ食いしばって「そうだよ俺はそれでも女子高生とデートしたかったんだ」と言おうもんなら、それはもう俺には何も言えないです。

なんですかね、こう、このおっさんもそうですけど日々何かをやらかして僕の耳目にまで届いてしまうようなニュースに出てくる登場人物たちというのは「当人にとってもうそうする以外に他ならなかった人」たちばかりだなということを日々ぼんやりと考えます。傍から見たら何でその選択肢チョイスしたし馬鹿じゃんという話がほぼほぼなわけで普段面白がってるわけですが、当人にとってはそれなりの時間を経て辿り着いたひとつのアンサーかあるいはアンサー引き伸ばしてる間に膨れ上がった不良債権が爆発した形のどちらかであるはずで、そう考えるとすごくクリーンで真っ当で誠実で誰にも不快な思いをさせずに諸手をあげて賛同されるようなベストアンサーがある保証なんてどこにもない状況下において見える範囲で一番良さそうな選択を都度都度繰り返した結果に過ぎないという点で彼らの人生というものは自分とそうは変わらないし自分だって油断してるとどこでどうなるか分かったもんじゃねぇなと。そう考えるとどうも笑ってばかりもいられねぇなという気分になってしまいます。規定の法や倫理や常識に著しく引っかかると馬鹿じゃん係数が一気に跳ね上がって切って捨ててやりたくなるのは人情ではありますが、それでもおっさんがデートするほかないテンションになっちゃった感じってのは別に全然想像できちゃうんだよなぁ。こう、なんか学生時代の時全然金なくて給料日まであと1日くらいまで粘るんですけどもうなんかどうしても我慢できなくなっちゃって夜の23時にブックオフにCD売りに行ってその足でタバコ買いに行ってたこととか今考えるとすげぇ馬鹿だなと思うんですけど、その時は馬鹿だからもうそうすることに全力でチャリも立ち漕ぎでみたいな、たぶんあの時の感じの延長線上にあのおっさんがいるんだろうし突然サラリーマンやめてラーメン屋やるとか言い出す人も同一ライン上にいるんだろうなって考えるとめちゃめちゃ腑に落ちますもん。あとこれ若い頃つながりの余談ですけど、若い頃は逆張りかっこいいみたいなんみんなあったと思うんですけど僕はあったんですけど一時期完全にノリであんま何も考えんと臓器提供意思表示カードとか持ってましたけど今はもう持ってないですけど、当時うっかり事故にあって死んだりしてたら家族とかそれなりに「どうすんだよこれ」みたいな空気なってた可能性ありますからね。こう、なんか視界が狭まっちゃう感じとかその場その場の軽いノリに何か別方向から深刻なトラブルが突き刺さっちゃう感じとか、世の中の傍から見てて笑っとけ笑っとけみたいな話も全然笑えない話も、全部そういうのの延長にあるんだろうなとか思って僕は笑っていじって思いを馳せて、とりあえず自戒からしていくほかないのでしょう。

いや、流石に女子高生とデートしたいおっさんにはならねぇと思うけど、いやこればっかは49歳になってみるまでわからねぇからもしかしたらあのおっさんは平行世界の俺なのかもしれないくらいの気持ちでいとこうみたいな。まぁ、おっさんお疲れっていうのと、おっさんどんまいっていうのと。そんな感じです。以上です。

 

10/3 2:22 追記

よく考えたら女子高生と金払ってデートするのはセーフの前提で書いてましたが本当にセーフなのかどうかよくわかってません。