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座禅体験感想文

座禅ってあるじゃないですか、お坊さんにはただこう、座り込んでじっとしてるっていう座禅っていう修行があるらしいんですけど、それでお坊さんは微動だにしないほどえらいみたいな風潮があるらしいんですね。駆け出しの坊主はだからたぶんすげえ振動するんですよ、なんだったら振動するどころかそもそもマナーモードにするの忘れてて木琴のメロディを口ずさむお坊さんもいるらしいんですけど。逆にどうやんの?っていう。もはやそれは逆でもなんでもないだろって話なんですけど、それが徐々に徳を積んでえらくなっていくにつれてどんどん微動だにしなくなる。僕あんまり仏教のこととか詳しくないんで本当に動いてないわけじゃないんだろと勝手に思ってて、むしろ止まってるように見えて実はめっちゃ振動してるみたいな超微細な震動でなんでも切り裂くブレードとかを操れるようになったりとかそういうことを即身仏っていうのかなと思ってたんですけど、そうではなくて本当に動かないでじっとしてるだけらしいですね。だからたぶんお坊さんの最終目標っていうのは分子運動の停止だと思うんですよね、マイナス273℃。自力でマイナス273℃に到達して自身だけではなく触れるものすべてを静止させる能力、その力を得たくてお坊さんは厳しい修行に励んでいるんだなぁ、えらいなぁと思いました。なんでこの数行の間に『ARMS』で得た知識を披露することになったのか僕にもよくわかりません。そういうわけでそんな座禅をお試しで体験できるというお寺がなんかありましたので行ってきました、今回はその感想文です。一番びっくりしたのはあのゆらゆらした時に背中を叩いてくるやつ、あれずっとなんか勝手に卒塔婆だと思ってたけどぜんぜん卒塔婆じゃなかった。

訪れたのはこちら、なんか禅宗のすごいお寺らしいです。儲かってはるな~って感じで大きくて広かったです。お寺の紹介終わり。

予約していた時間に社務所に行くと担当の坊さんがやってきてまずは移動みたいな感じになりました。そりゃそうね、社務所は座禅するような雰囲気ではなかったんでね、なんか制服のお姉さんとかが普通にデスクワークしてたんでここで座禅するのはちょっとなって感じです。絶対座禅してる途中でトースターが焼き上がってチーンって音と共にパンが飛ぶみたいな悪戯されるわ俺ならするわ、だから座禅する場所ここじゃなくてよかった~と思いながらお坊さんの後ろをてくてく歩いてたら気づいたんですけど、最近のお坊さんの服ってすごいんですね、めちゃめちゃ夏仕様だった。なんかネグリジェみたいなのを着ていて。いや、あのすいません、なんかメッシュ?わかんないけどちょっと透けてる涼しそうな素材ってことを言いたかったんですけど、ネグリジェみたいなのを着ていてなんて言い方をしたら完全にネグリジェ着た坊さんを想像しちゃいますよね。僕も想像しました、ネグリジェでブラジャーとパンティ透けて見えてる抱きまくらにプリントされる時用のポーズの坊さん。マリリン・モンローと同じ位置にホクロがある。その日僕らを相手してくれた実際の坊さんは全然そんなんじゃなくてなんか涼し気な素材の袈裟をまとった若いシュッとしたお坊さんでした。

それでしばらくしたらなんか建物に到着しました。座禅をするお堂だから、ぜ、ぜんどう? 「ぜんどう」って打ったら変換候補に「禅堂」って出てきたのでたぶん僕が辿り着いたのは禅堂だったのではないかと思います。はい、このままググらずに行きますけども、結構広いところでね、あー僕今から禅堂の内部がどんな雰囲気なのか書こうと思ったんですけど俺こういう風景描写みたいなの全然こう小綺麗な感じでできねえのな、まずね、大きさはね、大会議室くらい。あの、区民センターみたいなところ行ってすいません、20人くらいでボードゲームしたいんですけどって言ったら職員さんがじゃあ今空いてるお部屋順番に見ていきましょうかって言って一番最初に案内してくれるところ、「あー、これはちょっと大きすぎますよねあははは」つったら向こうも「そうですよねー、ここ100人とか入るんでさすがに大きいですよね~」とか言ってじゃあ何で見せたの?ってなるあれくらいの大きさ、ボドゲって俺言ったよね?わかんないけどこれシンポジウムとかやる時用のやつでしょ?そもそもシンポジウムって何?っていうあれくらいの大きさ。で、天井はすごい高い。あんま覚えてないけど、2階建ての吹き抜けくらいの高さはあったね。だからお母さん連れてきたら絶対「掃除大変じゃん!」って言うやつ。モデルルームで吹き抜けの家とか入った時絶対うちのお母さん言ってたから、「掃除大変じゃん!」って。そのせいで僕友達の家とか遊びに行って吹き抜けだったりすると吹き抜けの天井の角とかすげえ見る癖ついちゃって、あーやっぱ蜘蛛の巣みたいなの張ってんな~みたいなのすげえ見るようになった。で、すげえ暗いのね、自然光が差さないでもないけど~?くらいの、かなり薄暗い感じ、全然真っ暗ってほどではないけどゲームボーイやってたら絶対お母さんに怒られるくらいには暗い。「目ぇ悪くなるよ!」って言われるやつ。で、うるさいなぁとか思いながらも子供だから言うこと聞かずにゲームするんだけど何年も経つとやっぱ本当に目ぇ悪くなるのね、それでメガネ買いに行く車の中でお母さんが「だから目ぇ悪くなるって言ったしょ」ってすげえ言うの。人間ってそんなに連続で「だから言ったじゃん」って言えるもんなの!?ってびっくりするくらいずっと言ってて、すごいよね、数年越しの「だから言ったじゃん」。そんな感じの大きなお堂に、長椅子というにはちょいと脚が長い台がずらっと並んでて、高さは俺の腰よりちょっと高いかな、この上に座って座禅をするわけだけどお尻を乗せると俺の足が地面には着かないくらいの高さだから決してそんな高いってほどではないんだけどお母さんがこの上に立つって話になると念のため俺揺れないように手で支えるから、っていうか俺が立つから、もうお母さん若くないんだから、くらいのそれくらいの感じ。尽くお母さん登場しましたけどね、ポーカーでいうところのスリーカード決めましたけど実はうちのお母さん一時期区民センターの受付のバイトしてたから実質フォーカードです。

さて、そういうわけで遂に座禅体験がスタートします。まずはクールビズみたいな格好のお坊さんが簡単な説明をしてくれます。こういう姿勢を作ってくださーい、とか視線はここらへんっすよーとか、動いたらしばきますよーとか、座禅始まったら俺も喋らんからねー、だからチーンって鳴らす合図覚えてねーとかなんかそんなの。よくわかんないけど、座禅っていうのはお釈迦様のポーズの真似っ子らしいですね、まずは形から真似るってのはなんか仏教の基本らしいですね、いやめっちゃテキトーに言うてますけど。かつて甲本ヒロトは「ジョーにあこがれました。ジョーのようになりたいと思いました。ジョーのようになる、それは 彼の音楽やファッションを真似る事じゃなく誰の真似もしないことでした」なんて名言を残しているわけですけど、仏教は真似るんだ~ふ~んなんて思いながらね、俺に釈迦のポーズ真似しろっ言うんだ~ふ~んみたいなね、俺は別にいいけどYAZAWAはなんていうかな?とか思いながら卒塔婆でシバカれるの嫌なんで大人しく座禅を組むわけですけど。いや、自分で体験したいですって言って来たんだからそりゃちゃんと従えよってだけの話なんですけどね。この流れで従わないとか内田裕也じゃねえんだから。ちなみに僕が卒塔婆だと思っていたそれは正式名称は警策と呼ばれる棒だったんですけど、いや、俗称が卒塔婆ってわけでもないんですけど、なんか罰ではなく励ましの意味で叩くんですよみたいな話をしていました。それを聞いた僕はこの座禅の話に関しては本当にそうなんだろうけど、みんなそう言うんだよな、と思った。あと音は大きいけどそんなに痛くないんですよ、とも言っていましたがそれもみんなそう言う、と思った。桑田真澄の見解が気になるところです。

それで、遂に実際の座禅が始まるわけですけど、これが結構すごいんですよ。僕もともと、座禅のことはよくわからないけど、変性意識?トランス?みたいなものは結構入りやすいタイプなのかなぁという自覚はあるんですけど、座禅がそういう感じを目指すやつで良かったのかちょっと怪しいんでもしかしたら全然間違ったことやってたのかもしれないんですけど、しかしスーッと入ることができた。何せ環境がいいんですよね。ほとんどお母さんの話しかしてなかったんでどれくらい伝わるかわからないんですけど、程よい薄暗さで空間とか空気とかを十分に感じられるがらんどうさがあって、鳥の声とか木々の葉が揺れる音とかがちょうどいい具合に遠くから聞こえてくる感じとか、なかなか良いもんなんですよ。それでボーッとして感じるままにしておくと警策でしばこっかなーって坊さんが目の前を通り過ぎていくのだぼんやり見えて、それで身が引き締まるっていうとまた違うんだけど、おるな~と感じる対象がいるのも大事な気がする。一人でやるよりはそういうのあった方が良い気はする。で、自分にはそれなりに入ってるつもりなんだけど、本場の坊さんから見てちゃんと入ってる風だったのかなぁみたいなのはありますよね。10分2セットの20分とかやってたみたいなんですけど、幸いかわからんけど一回もしばかれずに済みました。こういう合図出してくれたら体験がてらにしばきますよーっていうのもあったんですけど、それもなぁ、こっちから手を抜くみたいでなぁと思って僕はそうしなかったんですけど、しばかれなかったのは本当にイケてたからなのかお客様基準でまぁええんちゃうかレベルだったのかという疑問は残ります。あの、年上の従兄弟が麻雀教えてくれた時に最初はまぁ手加減したるわみたいな感じで一緒に卓を囲むんですけど、それなりにルールを覚えた今になって考えると、そんなお前ごとき素人の麻雀に手加減も糞もあるのか?と思うんですけど真相は永遠に闇の中みたいな感覚が残りますよね。この話を嫁にしたらそもそも嫁が行きたいというので体験しに来てたわけですけど「じゃあ今度は丸一日ガッツリみたいなガチのやつに行こう」みたいなこと言われましたけど、全然行きたくないなと思った。ちなみにあの警策、他の参加者で叩かれる人がいてたんですけど、右3回左3回の計6回、半ダースも叩くんですね。ダースで数えると途端に頭おかしい兵士が殺さなくちゃならない敵の数を確認してるみたいな感じになるのなんでなんですかね。ほんで、その3回3回って結構ゆったりのペースで叩くんかなって思ってたんですよ、うんたったパンうんたったパンうんたったパンくらいのペースかなと勝手に思ってたらパンパパーン!って叩いてたのでそれすげえビビった。叩かれた本人はもっとびっくりしただろうなと思った。あとその時、スーパー銭湯で股間をタオルで叩くマリリン・モンローと同じ位置にホクロがある裸のおっさんのイメージが脳内に想起されてたのでやっぱ俺別に全然入っていなかったんじゃないかって気もする。

座禅を終えたあとは入ってる感じが丸一日続いて大変でした。僕はいっつも視覚にくるんですよね。視界に入ってるものの中で動いてるものがすげえ意識されるんですよ。なんか、ロボの視界の映像で複数いるエネミーをピピピッとロックオンしてる感じわかります?あれに近い感じで僕が視界にある動いてるものすべてに意識を同時に向けてる感じがわかるんですよ。自分の意識が「わかる」っていうのも変な感じかもしれませんが、なんかそんな感じです。すげえ疲れるんだ。普段仕事してたりこうやって文章書いててもたまに間違えて入っちゃうんでむしろ普段は気をつけてたりすらする。あんまりそういう感覚になることは普段ないという嫁は耳にくるって言ってました。ドルビーが半端無くて世界がサラウンドになるらしいです。すげーって言って喜んでました。これが座禅で目指すべき正しい効能なのかは全然わかりませんが、今回感じたのはそんなところでした。

そんな感じで僕は懲り懲りだよ~って感じではあるんですが嫁はずいぶん楽しかったようなので、もしかするとまた機会があれば行くことになるかもしれません。嫁は実は家でひとり試したりもしているのだけれども、禅堂の時のような入る感覚はなかなか得られないとのこと。じゃあ俺も付きあおうか~って思ってamazon警策検索したらけっこういい値段するのな。ちょっといいサラウンドのヘッドホンが買える。以上です。