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タメ口の店員

休みの日に嫁と二人で出かけて午前中結構歩きっぱなしでやっとこさ飯でも食うかという段になったのでなんだかうまいらしいと評判のラーメン屋に行ってみようと出向いたらせいぜい15人ほどしか入れないこじんまりとした店の佇まいでチャラついた雑誌で紹介されましたなどの掲示もなくそれでいて行儀良さそうなメガネの一人客がそこかしこでつまらなさそうにスープを啜ってたのでこいつぁ「俺は俺の道を行くぜ」感が漂っていやがるぜと思いながらとりあえず注文してラーメンを「へいお待ち」されるまでの間も嫁と二人で「いやーしかし歩き通しで流石に疲れたね、午後はどこそこに行く予定だけどだいじょぶかねこりゃ」なんて話をしているうちにラーメンが出てきたので食ったら本当にうまかって「こりゃあおいしいね」なんて言いながらペロリと完食して俺は飯食うの早いけど嫁は飯食うの遅いので水をチビチビ飲みながら嫁が食べ終わるのを待ってたんだけどそしたら店長かなぁわからんけどラーメン作ってたおっちゃんがカウンターの向こうから俺に向かって「どう?エネルギー充電できた?」って言ってきたので「はい、めっちゃおいしかったです!」って返事しながら「もう二度とこねぇ」と誓った。

僕自身決して上品な人間じゃないし無礼なところがあると思ってるのでそんな人に行儀の良さを求めるようなタイプではないんじゃないかなと確信なく思ってるんですけど、店員のタメ口ってなんか別にイケる時と全然イケない時があって、あの差って何なんだろうなと思うんですけど。誤解されたくないなって思うのは、「お客様には敬語使え!」って話ではないんですよ、そういうところで怒ってるわけじゃなくてむしろそもそも怒ってるわけじゃなくて「うわタメ語で来やがったなじゃあもう来ない(笑)」みたいな(笑)がつくニュアンスではあるんですけど、怒ってるわけでもイラッとしたわけでもなく「何で?何でなの?何もないってことはないよね、それは何?」みたいなんがあるんですよね、別に敬語使われないことに文句はないんだけどここであえてタメ口をきくお前を受け容れてしまってはそれは同時にお前にタメ口を使わせた何かしらのお前の思想も受け容れてしまうことになるのでちょっとそれはまかり通らんぞみたいな。あの、伴侶のことを「相方」と呼ぶ文化がこの世のどこかにあるらしいんですけど「何で?」ってなるじゃないですか、別に「伴侶を相方と呼ぶのは日本語としてけしからん」とは思わないですけど「貴様は相方に何のニュアンスを含んでるの?何かしらのニュアンスを含んでいるよね?何のニュアンスも含んでいないなんてことはありえないよね?」みたいなそういうことは思っちゃうわけですよ。「どうでもいいだろそんなこと」とは自分でも思うんですけど、そりゃあ確かにタメ口だろうが敬語だろうが、夫と呼ぼうが旦那と呼ぼうが相方と呼ぼうが、そんなもんどっちでもいいしむしろそんなところに突っかかって話の腰を折るほうがよっぽど野暮だとは思うんですけど、そういう状況なので流してもらおうとしやがってドサクサに紛れてこっちが許したような既成事実作ろうとしてないか?みたいな、仲良くなりたいからってカンチョーしてきてそれでこっちが怒ったら盛り下がるような空気が出来上がってるの知っててカンチョーしてきて「悪気はないよこんなの挨拶じゃん」って感じできったねぇ笑顔を向けてくるみたいな、それに似た嫌らしさを感じる。

あとこれ全然関係ないけど昔通ってた大学の近所の吉野家に「すいません、お冷ください」って言ったら「はいちょっと待ってねー!」ってタメ口で返すパートのおばちゃんがいたんだけど、おっさんにはもちろん敬語で学生にはタメ口を使うんだけど、学生街でハラペコ貧乏学生に米を食わせるみんなの母ちゃん的なロールモデルへの憧れがたぶんあったんだろうけどお前の時給がなんぼか店内の壁にでかでかと掲げられてるし肉ちょっと多めにサービスする権限とか全然お前にはないんだからそれはやっぱちょっと違うだろとずっと思ってた。以上です。