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映画「夢売る二人」観たので何か書く

「夢売る二人」見ました。

話としては、なんか長年連れ添った板前夫婦がついぞ夢見た自分の店を開業するやいなや火事で店がダメになって金ないので旦那が結婚詐欺をして金貯めようみたいな話です。こうしてあらすじだけ聞くと非常にポップなので油断してたのですがいわゆる糞邦画でした。

まず妙に写実主義ですよね。飯が出てくるシーンではまず飯をアップで数秒撮ります。あと暗転が長いです。次のシーンで時間が経過する際には2秒か3秒、テレビが真っ暗になります。こちとら2,3秒あったらシャープのサポセンに電話できるんだぞわかってんのか。よくわからん役者の顔をアップにした無言のカットもやたら多いし長いです。なんか何させてもコンマ5~2.0秒くらい無駄に長いです。THE・かったりぃ邦画です。

全編通して「さぁ、どうぞご自由に解釈してください」的な雰囲気を出しながらも、糞冗長な演出の合間合間で話の筋とディティールだけ丁寧に追ったら監督の求める正解解釈丸分かりだよ糞が死ねよ、みたいな。そういう邦画の雰囲気あるじゃないですか。なんかアレ系のやつでした。TSUTAYAの新作コーナーに面陳でダーッと並んでたので油断してたんですけど、そういえばこれって公開いつだったっけテレビCMの記憶全然ないぞ、と思いながら借りたら案の定そういう映画でした。

認めるよ、おれもう27だし認めるけど高校生の時とかそういう邦画すごいありがたがって観てたよ。浅野忠信か永瀬正敏のどっちかが出てればそれは何か重要なメッセージがある映画だみたいな時期はありましたけども。情緒的な日常を描いてそれが壊れて「あー壊れちゃったな」みたいな顔した俳優をアップで5,6秒撮ってその後なんか青い空のカットが入って、ローカル線の電車が走ってる街の情景が入ってそこまででワンセットみたいな映画を腕組んで観てた時期ありました。生まれてきてごめんなさいって感じです。ですけどもういい加減無理ですね。この映画よ存在するな、とは言いません。今高校生とか見てむっちゃ面白がってるかもしれないですし。この一点において否定しきれない。けど、少なくとも俺はおなかいっぱい。高校生を喜ばせるにしたってもっとなんかあるんじゃないの、とも思う。ないのかもしれないし、高校生からしたら普通に面白いんだからそれでオールオッケーかもしれないし。ただなぁ、無駄に時間とって雰囲気だけ出して何にも引火しないくっせぇガス出して観る側の視界を悪くしようとして、それで正解解釈に辿りついたら気持ちよくなるただ分かりにくいだけの映画って、それってまだあるんだ、て感じで。本当にそういう映画久しぶりに見たからすげぇむかついた。むかついたと同時に「ああ、映画ってこういうもんだよな」って思って「やっぱ俺映画全然好きじゃねぇわ」って思った。

10点満点で言うと5点ですけどね。そんなボロカス言うほど悪くはない。こんなもんこんなもん的な。阿部サダヲ松たか子っていう、映像でも舞台でもイケる日本を代表する俳優がツートップ張ってるもんで、コメディみたいな脚本を社会派みたいに撮りたがる演出の中で、なんか成立してしまってる。主演がこの二人じゃなくて永井大と小池栄子とかだったらえらいことなってたなとかは思う。なので糞かったるいけど観れるは観れる。すげぇ5点。「俺このシーン、分かるよ」みたいなメタカタルシス狙いの典型的マイナー邦画。自分も昔釣られてた時期あるだけにすげぇむかつく。そんな感じの映画でした。

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