みなさんこんにちわ、ズイショです。
気付けば2013年も残りわずか、さっきカレンダーを二度見したのですがどうやらもう師走なんですね! もう十日も過ぎてて思わず三度見しました!
そして師走と言えば忘年会!
飲んで騒ぐだけなら楽しいのですが幹事を任されてしまってこの時期どうにも頭を抱えているという方も少なくないでしょう。
それでもインターネットの発達というのはやはり目を見張るもので、昔に比べると幹事さんの仕事もずいぶん簡単になりました。
ホットペッパーやぐるナビなどお店情報を調べるためのツールには事欠きませんし、最近ではGoogleストリートビューで店内の様子を見ることもできますので一日に何軒ものお店をハシゴして下見をするような手間も必要ありません!
そういうわけでイージーモードこのうえない人間向けの忘年会の話はちょっと置いておいて、今日はたぬきの忘年会を仕切らなくてはならない人向けのお話です。
たぬきと言えば一昔前まではいわゆる害獣に区分され私たち人間とは険悪な関係が続いていましたが、2000年前後を皮切りにたぬきは人間たちの貨幣経済に参入。ITの発達により地方での起業も容易になった現在では、山で群れをなしながら受注案件をこなすたぬき企業との取引がきっとあなたの会社にも一つや二つはあるのではないでしょうか?
そうして人間社会とうまいこと共存の道を歩んでいるたぬきたちですがその性格は極めて繊細。お調子者ですぐはしゃぎ、すぐやらかし、すぐ拗ねる。ほぼほぼ初孫を構いたくて仕方がないお義父さんのようなものだと思っておけば間違いないでしょう。
たぬきのおおらかすぎる性格は真面目すぎる私たち日本人も見習いたいところではありますが(苦笑)、大変ナイーヴなたぬきが一度機嫌を損ねてしまうとそれに伴う生産力の低下も顕著に表れてしまうため、たぬきの忘年会が失敗に終わってしまうとたぬきに任せていたはずの仕事が詰まったまま年を越すなんてことにもなりかねません。
それだけたぬきの忘年会の幹事というのは大役であり、裏を返せばあなたの手腕の見せどころにもなるわけですね!
そこで今日は10社以上のたぬき企業との取引がある会社に勤め、毎年この季節には3~5件のたぬき忘年会の幹事を任され、時には百匹からなる大所帯まで捌く僕ことズイショがこれまでの経験から学んだたぬきの忘年会を仕切るうえでのポイントをいくつか紹介していきたいと思います。
間抜けなたぬきに変装は不要!?
まず初めにたぬきの忘年会の幹事さんが頭を悩ませるのが集合時の服装について。
基本的に宴会が大好きなたぬきたちは人間の姿に化けて人里の居酒屋などで忘年会をすることを好みますが、何せうっかり者でお酒が大好きなたぬきたち。最後にお店の前で一本締めをしようとする頃にはほとんどのたぬきが尻尾を隠せておらずせっかく作った円陣がフラクタル模様になっているなんてことも少なくありません。
通行人の女性に尻尾をヒールで踏んづけられた中年サラリーマンが驚きと痛みのあまり1メートルほどジャンプしたところでくるんと回ってたぬきに戻るなんてシーンも最近では見慣れた光景です。
とつぜん頭にネクタイを巻いたおじさんがたぬきになるなんて一般のお客さんもびっくりさせてしまいますし、もちろん尻尾を踏まれたたぬきも落ち込んでしまいますので幹事さんにとってもこれは大変悩ましい問題です。
そこで僕が提案したいたぬき忘年会の新常識、それはずばりたぬき集合たぬき解散です。
どうせちょっと酒を飲んだら気持ちよくなって隙が出てしまう癖に人間の姿に化けてやってくるから話がややこしくなるのです。最初からたぬきの姿で飲んでいれば周囲の理解も得られやすいので事がスムーズに運びます。
もちろんたぬきの忘年会である旨を事前にお店側に伝えることを忘れてはいけません。お店によっては入店を渋られるケースもありますが「お客様は神様だ」という言葉を頭から信じ込んで交渉にあたりましょう!
意外と見落としがちなお店選びの注意点とは??
次に紹介したいのはお店選びのポイントです。
たぬきは基本的に雑食で好き嫌いなく何でも食べますしそもそもお酒があればあとは何でもいいようなところがありますので、お店選びの際に注意する点というのは実はそれほど多くはありません。
強いて言えば辛いものが少し苦手であることと、あまり珍しくておいしいものを与えてしまうと後々になってあの味が恋しくてたまらなくなったたぬきが人里に下りてきて人間に迷惑をかけてしまったり、あの味が恋しすぎて仕事が手につかなくなってしまったりしますので、最悪Amazonで注文できる範疇のものを食べさせるのが無難でしょう。
また、たぬき同士はあまり後先を考えず目の前の興味に忠実な傾向がありますので鍋を囲う形式などは出来れば避けたほうがいいかもしれません。だいたい全テーブルが喧嘩になります。
もしどうしてもたぬきから鍋料理のリクエストが多い場合にはいつも以上に席配置に気を遣い、必ず各テーブルに一人はメスのたぬきが座っているよう調整しましょう。これだけで鍋の具材を入れる順番や食べたい具の取り合いで喧嘩が起こる可能性がグッと減ります。たぬき社会では人間社会以上にメスの肝っ玉母ちゃんっぷりが色濃いのです。
最後にひとつ、僕がいつも気を付けているお店選びのポイントを伝授します。座敷ではなく掘りごたつのお店を選ぶようにしましょう。なぜなら座敷席だとたぬきは大きな金玉袋が窮屈になってしまうからです。
こういう小まめな気遣いにもたぬきはちゃんと気づいてすごく喜んでくれますよ!!
会費は必ず事前徴収!そして時間通りに店を出られる秘訣とは?
基本的にたぬきは温厚で気のいい生き物ですのでこれまでに挙げたようなトラブルの要因を事前に取り除いてやり、あとはお酒さえ与えておいてしまえば実際の宴会の進行で幹事さんが気を揉まなくてはならないようなことはほとんどありません。
もちろん余興など頼まなくてもみんな勝手に準備をしてきてくれるのでこちらで企画する必要は一切ありません。ちなみに僕は既に今年2件のたぬき忘年会に参加していますがたぬきの間でもロバート秋山の身体ものまねは大人気です(笑)。
特にトラブルもなく宴もたけなわとなれば後はお開きをするだけなのですが、ここで気をつけたいのが会費の徴収。間違ってもこのタイミングで会費を徴収するなんて段取りにならないように注意してください。
たぬきは私たち人間が使う通貨と併用する形で、たぬき間では未だに葉っぱのお金を使う習慣が残っているのですが酔っぱらって葉っぱのお金を渡してくるたぬきが一匹や二人は必ず出てきてしまうんですね。しかも普段は葉っぱを万札に化かして持ち歩いているので(悪気はありません)受け取るこちらとしてもパッと見で区別がつきません。
恐らくたぬき企業と取引のある理解ある会社であれば騙されても経費で落ちるのでまだいいのですが、葉っぱのお金は持ち主のたぬきの手元を離れてから数分するとただの葉っぱに戻ってしまううえたぬきは普段から物をよく無くすため自分の葉っぱにも名前を書いてしまっています。
そうなると幹事の立場上そのたぬきにお金をもらい直すほかないのですが、恥をかかされたと感じたたぬきはせっかく気持ちよく飲んでいたところから急転直下で落ち込んでしまいます。そしてたぬきは感受性が強くおおらかな性格ですので他のたぬきにも悲しい気持ちはどんどん伝達してしまいあっという間にお通夜のテンションになってしまうでしょう。このような事態を避けるためにも会費は絶対に事前徴収、このことを絶対に忘れないでくださいね!
この事前徴収との合わせ技でたぬきに喜ばれるテクニックが一つありますのでそれもご紹介いたしましょう。
酒を飲んで楽しくなったたぬきは基本的にとても楽しい気持ちでもっとお酒を飲みたい気分になっていますので時間が来てもなかなか帰りたがりません。絶対に退店しないぞと肩を組み合うたぬきのストに苦労した経験がある幹事さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
ここで効果を発揮するのがお土産として用意するひょうたん酒です。会費を一人あたり千円ほど大目に徴収しておいて、お開きの際に一人一つ手渡す用のお酒を用意するのです。お土産はあくまでも名目であり、追加のお酒をもらって気をよくしたたぬきたちはすんなりと幹事さんの指示に従い帰り支度を始めてくれるというわけです。
これだけでたぬきも驚くほど言うことを聞いてくれるようになりますのでみなさんも是非試してくださいね!!
たぬきの幹事は見送るまでが仕事!初心者が必ずハマる落とし穴!
さて、ここまでくれば後は首尾よく解散となるわけですが、せめてたぬきが交通機関に乗るところまではしっかりと見届けるようにしましょう。
というのも、そのまま解散してたぬきを放っておきますと、まず間違いなくキツネと飲み直しに行きます。そして一度キツネと合流してしまったが最後、キツネに唆されたたぬきは気前よく奢りに奢りたおした結果、翌日シラフに戻ったたぬきはおけらになった自分の財布を茫然と見つめながら三が日が過ぎる頃までひどく落ち込んでしまうことでしょう。
こうなってしまっては折角ここまでお膳立てをした努力がすべて水の泡、この事態をどうにかして避けるためにも解散後のアフターケアを怠ることのないよう注意してください!たぬきが散財せずに家に帰るまでが、幹事の仕事!遠足と一緒ですね。(笑)
以上、簡単ではありますがたぬき忘年会を仕切るうえでのポイントをいくつかご紹介させて頂きました!
みなさんが名幹事としてたぬきの間で一目置かれる存在になる一助となれば幸いです!