←ズイショ→

ズイショさんのブログはズイショさんの人生のズイショで更新されます!

花巻東・千葉くんの話にハラワタ煮えくり返っています(追記あり)

なんか前も野球の話でハラワタ煮えくりかえってたような気がするんですけど、別に野球には何の思い入れもありません。野球がルールがめちゃめちゃ曖昧でなぁなぁなスポーツなのでたまたま野球にハラワタ煮えくり返ることが多いのでしょうか。

花巻東の千葉、ルールに泣き“カット打法”できず

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130821-00000037-dal-base

なんか概要としては、今年の甲子園に出てた花巻東というチームに千葉くんという選手がいてこいつが漫画に出てくる曲者キャラみたいな打者でその小柄な身体を生かしてギリギリまで狭めたストライクゾーンに飛んできたボールはファールを狙って延々カット、相手の集中力が切れたところで飛んでくる甘いボールをヒットにしたり四球での出塁を狙うプレイスタイルです。準決勝では5打席で相手投手に41球も投げさせて全打席出塁という大活躍だそうでネット上でも大きな話題となりました。

で、この選手が他の不正っぽいサイン盗みをやっていたりだとかカット打法見ていてつまんねーよとか卑怯だろとかタダでさえ投手を酷使しすぎでクレイジーだと普段から言われてる高校野球でそんな球数消費を狙ったプレイするのはどうなんだとか、ネガティブな印象を持つ人が一定数出てくるってのはまーそれはそれでしゃあないと思うんですよ。千葉くん擁護も千葉くん批判もあって然るべきですし、その結果今後このようなプレイが禁止になろうがなるまいがそこらへんはぶっちゃけどっちでもいいです。ただ、それは客観的に見て正当な手続きを踏んで行われなくてはならない。人の立場や性格によって主張や損得が一致しないことは当然のことでそれゆえどこかしこで対立が起こることは世の常ですが、その対立に決着をつけるには現状お互いが行使可能なルールの範囲内でうまく勝負するしかないしそのルールからはみ出た無茶をする場合はその分のリスクを背負わなければならないということを僕はこの夏半沢直樹から学びました。上戸彩超かわいい。堺雅人上戸彩が結婚式の時に配った引き出物の二人の写真プリントしたマグカップ欲しい。上戸彩マグカップでオニオンスープを飲みたい。

さて、話が逸れましたので戻しますが、結局運営側はこの賛否両論のカット打法をどう処理したかと言いますと、試合の外での注意勧告を行ったとのことです。なんでも高校野球のルールの中に「バントとは、バットをスイングしないで、内野をゆるく転がるように意識的にミートした打球である。自分の好む投球を待つために、打者が意識的にファウルするような、いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある」という項目があるらしく、千葉くんのプレイスタイルはこれに抵触する可能性があるので「ご理解ください」との注意を運営は花巻東側に行ったのです。ツーストライクからファウルで粘る千葉くんのカット打法ですがそれをバントと判断されてしまえばスリーバントですぐにアウトになってしまいます。その結果カット打法を封印した千葉くんは準決勝無安打に終わり花巻東も敗退しましたとさとっぴんぱらりのぷう。

で、僕はハラワタが煮えくり返っているのです。めっちゃむかついてます。

運営側の禁止したいという意向は別に問題ではないのです。ただそれを今すぐ早急に禁止したいという無茶をどうしても通したいのであればその対価を払えということです。具体的には誰かが「昨日まではOKでしたけど今日からアウトにします」と言うむちゃくちゃを言って批判に晒されろということです。無茶を通すなら誰かが血を流すのが道理です。運営はそれをサボりやがりました。「アウトです」と明言した誰かが矢面に立つ事態を億劫がった結果、注意という形で匂わせて自粛させました。アウトを人質にとった脅迫です。脅迫という無茶に対抗するにはどうしてもこちら側も無茶が必要になります。この脅迫を退けて運営の態度あるいは千葉くんのカット打法はアリなのかナシなのかバントなのかスイングなのかを世間に問うには「アウトになると分かっててカット打法をする」という無茶をしなくてはなりませんが、それを実行するためには今度は花巻東の誰かかみんなが血を流さなくてはならなくなります。カット打法させなかった監督も悪いとか、千葉くん気にせずカット打法でいけばよかったのにみたいな意見も見かけますけど、そんな単純な話ではないんじゃねぇかなと思うんですよ。というかねぇ、あいつらアウト一つ取るためにフェンスに激突したりとかアウトにならないために一塁ベースに頭から突っ込んで泥まみれになったりしてるでしょ。僕野球やらないんで知らないですけど、甲子園のアウト一つの価値ってすげぇ重いと思うんすよ。それこそ、カット打法自粛して泣いてた千葉くんのプライドの重さと甲子園のアウト一つの重さってなかなか甲乙つけがたいんじゃねぇかなと思う。もし千葉くんが準決勝でカット打法使って審判がバントと判断してスリーアウトとらなかったら「てめぇ昨日の脅迫じみたアレはなんだったんだこの野郎」っていう話になるので審判は絶対にスリーアウト取らざるをえないしそうなればその審判は「昨日とは話が違うじゃねぇかこの野郎」って世論から袋叩きにされてたでしょう。「今すぐどうにかしたい」という無茶を通すんだからそれは当然支払うべき対価なんですけれども、ただ、そうして誰かに対価を支払わせるためにむざむざ相手にアウトひとつくれてやるってのは監督やチームとしてなかなかできる判断ではないとも思う。チームの目的は勝利であるべきだし、チームの敵はあくまで運営ではなく相手チームですもん。千葉くんもそう思っていたからこそ、カット打法を封印してその中でプレイしていたのだろう。たぶんもうなんかこれからの正義の話をしようとか、忠臣蔵赤穂浪士の行動はどうだったのかとか、そういう割り切れない話なんじゃねぇかなと思います。なので監督を責める気には俺はあんまりならない。糞なのはどう考えても自分らの勝手でそういう割り切れない判断をチームに迫った運営です。

繰り返しますが千葉くんのカット打法自体はどっちでもいいです。個人的には嫌いじゃないですけど、今後禁止になってもまぁ全然仕方ないと思います。ただ正当な手続きを踏め。対価を支払え。「僕らは間抜けなので気付きませんでしたがよく考えたらこれをアリにすると投手が大変だったりするので制限した方がいいということに気付きました。なので今日からはアウトにします。事前に気付けなくてすいませんでした。昨日までアウトにならなかったチームの皆様すいませんでした。あと千葉くんすいません。」と侘びろ。あるいは「昨日はファウルだったけどアウト!」と高らかにジャッジして蜂の巣にされろ。それが出来ないならば、本大会が終わるまでは黙って容認しとけ。そういう話です。カット打法の是非の話ではありません。野球に興味がないしフライが取れない俺でさえこんなに怒っているのだから、当事者の人たちはどれほどハラワタが煮えくり返っているのか想像するにますますハラワタが煮えくり返ります。カット打法がスリーバントと判断されてアウトになった過去事例が一つもないにも関わらず次の大会以降当たり前のようにカット打法は批難の対象となり戦術として認められなくなっていくという歯切れの悪さを思うと夜も寝られません。僕はめちゃめちゃ腹を立てているのです。

僕が運営に言いたいのはただ一つ、「ケジメなさい」、それだけです。以上、近藤真彦でした。

 

追記:8/22 19:15

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2013/08/22/kiji/K20130822006463840.html

「カット打法がスリーバントと判断されてアウトになった過去事例が一つもないにも関わらず」と書いてましたが過去事例ありましたー。どのみち都度都度バントかスイングか判断されるべきカット打法が試合外・ルール外の注意で圧力かけてきた本件によりスリーアウトと公式に判定されることもなく有耶無耶のまま実質禁止になるのはやっぱ納得いかねぇ死ぬほど納得いかねぇ。ハラワタは引き続き煮えくり返っております。以上です。