やあ、今年の冬は日々の寒暖の差が激しいね。
風邪などひいてはいませんか?
僕は、朝布団から出るのが少しだけ大変だけど、なんとか元気にやっています。
ところで先日、うっかり寝坊をしてしまい朝ごはんが食べられないまま僕は家を出ることになったんだ。
そのうえその日は一日のスケジュールもぎっしりで軽食を取る隙間時間ですら確保するのがなかなか難しい、そんな一日だったんだ。
それで僕はお昼もとっくに過ぎた午後2時すぎ、次の予定までの30分の合間を縫ってオフィスの近くの立ち食いそば屋に駆け込んだ。
その時、僕は本当にもうおなかがペコペコで、どうせ晩御飯にありつけるのも夜の9時は回ってしまうだろうこともわかりきっていたので、少し欲張りをして天ぷらそばの他にカレーライスもセットで頼んだんだ。
こんな注文の仕方をしたのは、まだまだ食べ盛りの大学生の時以来だったんじゃないかな。
食べ終えるとさすがにお腹は少し苦しかったけど、おいしかった。
そば屋のカレーはどうしてあんなにおいしいんだろうね。
そば屋のカレーははっきり言ってしまえばとてもチープで、お世辞にも手の込んだ料理だなんて言えない。
甘ったるくて、べとべとしてて、味もなんだかぺったりしていて、毎日これだけを食べろと言われたらちょっといやだな。
でも、たまに食べると、なんだかすごくおいしいんだ。
一口そばを啜って箸を置き、スプーンを手に取りカレーを一口。
それを繰り返す合間にたまにそばのつゆを啜ったりなんかして、細かい氷がジャラジャラと沈む給水機から汲んだキンキンに冷えた水で口の中を一度リセットする。
そしてまたそばとカレーを交互に食べるんだ。
そば屋のカレーはどうしてこんなにおいしいんだろう。
大した贅沢はしていない、大したお金も払ってない。
これより美味しいものもっとたくさんたくさん知ってるよ。
それでもなんだかそば屋のカレーを食べた後には、そば屋のカレーを食べた後にしか味わえないような、なんともいえない幸福感に僕は満たされるんだ。
そば屋のカレーはおいしいなぁ。
そば屋のカレーが僕は好きだ。
しばらくはもう天ぷらそばだけでいいけれど、またいつかこんな日があったら、またそば屋のカレーを食べたいな。
今日のお昼はもう済ませてしまったけれど、明日は何を食べようかな。おいしいものが食べたいな。
君は今日は何を食べたかな、おいしいものだといいけどな。
おいしいものをたくさん食べて、嘘でもいいからその時だけでも幸せな気持ちになれたらな。
そういえばずっとそうやって、たまになんだかご飯がすごくおいしくて、そうやって僕は生きているんだな。
週末は雪が降るらしい。
積もるかな。
どうせ特別な用事もないし、積もるなら積もるでいいかもな。
おうちに篭ってひっそりと暖を取って、ベランダから階下を覗けば向かいの一軒家の瓦屋根がうっすらと積もった雪で白く染まっているのを見て。
そんな1日になってもいいかもな。
それならおうちで何を食べようか。
おうちに何かあったかな。今日は何か買って帰った方がいいかもな。
久しぶりに食べたそば屋のカレーは、なんだか不思議なくらいにおいしかったなぁ。