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今だからこそ提案したい「サードブロガー」へのお誘い

むかしむかし、あったとさ。

 

いぬじん(id:inujin)というコーヒーをよくこぼす犬がかつて、「サードブロガー」なる概念を考案した。

その頃はtwitterだのfacebookだのが(今ほどの社会的影響力はないにせよ)インターネットユーザーに浸透してきていたような時分で短文によるネットでのアウトプットが万人のものとしてポピュラーになってくる一方、それは時を同じくして〈だからこそ〉という形で短文ではどうにも物足らずブログという長い文章をネット上に残す様式が再注目される時期でもあった。

僕がブログを書き始めたのもだいたい同じような時期であったと記憶している。もうたかだか140字で言えることは大体ぜんぶ言ったけども、もっと喋りてえな。じゃあブログだな。きっとそういう人たちがブログに目をつけた。

そうして一部の物好きがブロゴスフィアという新たなフィールドで何を書いたらいいものやと各人がディスプレイの前で腕を組み首を傾げるわけだが、何を書くか以前にどうにもブロゴスフィアというやつは良く言えば歴史を重ねた、悪く言えば窮屈な空間であった。

たとえばそこには、長年に渡りかっくいーオピニオンを発信し続け果たしてブロゴスフィアに一定の影響力を持つに至った「アルファブロガー」という存在があった。はたまた、ブログ運営で収益を上げてそれで生計を立てる「プロブロガー」という存在があった。

ブログを書く自分は「ブログを書く人」つまりは「ブロガー」であるわけだが、「ブロガー」であるということは「アルファブロガー」だとか「プロブロガー」だとかを目指すスタートラインであるように思われた。「ブロガー」という言葉が進化前ポケモンであるように思われた。それで一部の人たちは、なお一層の首を傾げた。

「別にアルファブロガーになりてえわけでもプロブロガーになりてえわけでも、ねえんだけどなぁ」

そうは言ってもブログを書こうと思い立ってブログを開設した時点で、「ブロガー」であることには違いないのだから郷に行っては郷に従え、だ。進化前ポケモンのようなつぶらな瞳で、「私はアルファブロガーではありませんが」「プロブロガーには及びませんが」と言いながらブログを更新するより仕方がなかった。人によっては「泡沫ブロガー」だとか「弱小ブロガー」だとか、わざと自分を卑下して見せる人までいた。

140字じゃ足りないから、SNSで自分の思ったことを外に出す楽しさを知ってしまったから、だから始めたブログのはずなのに、なんだかずいぶん窮屈だ。ならば。

サードブロガーに、なりませんか。

ブロゴスフィアの頂点を目指してスターダムを駆け上がらんとする「アルファブロガー」でもなく、ブログによって儲けを出さんとする「プロブロガー」でもなく、それとは違ったブログを出発点とする第三の道を目指す「サードブロガー」に、なりませんか。

そもそもの提案は、そんなような意味合いだったのではないかなと私は記憶している。

ブロガーは、功名心だとか金が欲しい野心だとか、そういうのを持ち合わせているに決まってるなんて前提は随分じゃないか。ただ、書かないより書くほうが少しだけ毎日がワクワクして楽しい。そんな人たちのことは置いてけぼりじゃないか。それでもブログで書くしかない以上、「ブロガー」の枠に押し込められるのは仕方がない。ならば、名乗るほかないじゃないか、ただ書いていたいだけの表明である「サードブロガー」を。

少なくとも僕は、最初はそういう話であったと解釈している。

 

その後の話と言えば、サードブロガーを名乗るブロガーが雨後の筍のようにポコポコと現れ、そしてなんだか随分怒られていた。

たとえば「新しい呼称を名乗ってるだけで新しいことは何一つ書いてないじゃないか」とか。でもたぶんそんなことは関係なくて、新しいことを書くのはアルファブロガーになるために必要な行程であって、サードブロガーにはそんなことどうでもよかったのだ。

同じ話にしたって、誰かの書いたのを読むより、自分で書いたほうが面白いしワクワクできる。名誉も金も要らないから、自分のワクワクのためにそこらへんで書かせておいてくれよ。

たぶん「サードブロガー」っていうやつは、そういうことだったのだろうと思う。

もちろん、「サードブロガー」を名乗った皆がみな、そういうことを思って「サードブロガー」を名乗っていたわけではないことも重々承知している。

かつて「サードブロガー」を名乗った或いは名乗らずとも共感を覚えていた人々が、今どれだけこのブロゴスフィアに残っているか私は知らない。知ったこっちゃない。ただし、明白に去っていった人たちというのも知らないではない(大体超笑える)。去っていった人たちというのは、本当はサードブロガーではなくてアルファブロガーかプロブロガーになりたかった人か、そもそも本当はブログになぞ興味がなかった人だったのかなと思っている。

 

さて、話が長くなったが、最近またブログを書いている人たちの肩書がどうのという話がお盛んらしいですね。まあ、メディアクリエイターはそもそも沢尻が別にアレなもんですから、どっちかっていうとアイコンをハーケンクロイツにするのはアレだよねみたいな話に近いと思うんですけれども、何かをやっていると何かを名乗るより仕方なくなってしまうということはよくある話ですよね。

何も抵抗しないでいると「ブロガー」という肩書を勝手に背負わされてしまうというのは仕方がないことで、ブログを書く人のある種の宿命ですね。それをダサいと思ってメディアクリエイターを名乗るのならそれはそれでまあ頑張ってと思うのですが、ダサいとかじゃ無しに単純に重荷で、ただブログを書いてるだけなのにちょっと広告を貼っただけでブロガーなんて言われるのは窮屈だなんて思うそこの貴方。

今日から、サードブロガーに、なりませんか。

名乗らなくたっていいんですよ、だってサードブロガーってのは人からどう思われたいかって話じゃなくて、自分が自分をどう思ってるのかって話ですから。一人一人の内心の勝手な問題ですから。

数えるとあれから二年とか三年とかかな。いなくなった(超笑える)人たちもたくさんありますが、「ああ、サードブロガーだな」と思える人たちというのは未だにあちらこちらで見かけます。それは、僕が勝手に思っていることなので目配せすらすることはありませんが、書かないより書く方が楽しいだけのそこの貴方。

サードブロガーに、なりませんか。

サードブロガーは新興勢力ではありませんが、貴方がブログを継続するささやかな一助になります。

 

とっぴんぱらりのぷう。

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