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オシャレコンプレックスこじらせ糞野郎、今年も散髪の度に心乱れる!の巻

翌日に人前に出る予定が急遽出来たので髪を切ろうと昼下がりに思い立ち馴染みの美容院に電話をかけた私は「今日の夕方から予約できますか?」と尋ねると「美容師に指定がなければ17時から可能です」と言われたのでそれで構わないとそのまま予約を取り付けた。僕は根っからのオシャレコンプレックス糞野郎で自分が身だしなみを整えるということに気恥ずかしさや自己嫌悪感どころかちょっとした罪の意識まで感じるレベルなので散髪イベントは毎度の苦行でたかだか髪を切りに行っただけの話をブログで取り上げるのもたぶんこれで3回目か4回目くらいである。思えば結婚して住まいを移したのを機会に私はそれまで6年近く通っていた美容院を離れ、近場で新たな美容院を求めては徘徊する美容院ジプシーへとジョブチェンジしたわけだが、ここ1年くらいは同じお店に通い続けているので傍から見ると落ち着いたように見えるかもしれないがその店に赴く俺の心象風景は「ほかに頼るところがないんですすいません」の顔をしたびしょ濡れの犬である。全然懐いて心を開いてる感じではなく、ベーコンを施されてそれを咥えるやいなやそこからシュート決めたら3ポイントだなくらいの距離を確保しようとする痩せぎすの怯えた目つきの野良犬みたいな表情で同じ店に通い続けている。

で、約束の時間にお店に出向くわけですけど、やっぱ電話で言われてたとおり前回までずっと切ってくれてた兄ちゃんじゃなくて、別の姉ちゃんが今回担当させて頂きますーつって出てきてね。何せ野良犬の目つきで通ってるんで、別にそのいつもの兄ちゃんじゃないと嫌だってわけじゃないから、その兄ちゃんが特に良かったってわけでもないけど髪は切らなくてはならないから背に腹はかえられないから次も来てやってもいいですよくらいの感覚だったんで、別に違う人でもいいやと思ってたんですけど。いざその人を目の前にしたところで別の問題がこれから起こりうるぞってことに気付いて。それはつまり、今回担当してくれる姉ちゃんの方が良かったらどうしよう、ってことなんですよね。全然ありうるんですよ、いつもの兄ちゃんをそんな気に入ってるわけでもないんで、まぁ別に二度と口を利きたくないってほどではないから通ってただけで、逆に言えば他の店で「二度と行くか」ってことをしょっちゅう繰り返してますから。別にそれは向こうに悪気はなく、普通に機嫌よく応対してくれてただけなんですけど何せこっちはオシャレコンプレックスこじらせまくってますから些細な一言をキッカケにもう内心で勝手に「あーあーそうですかそうですよねここはオシャレな人のみが集うオシャレ美容院ですもんね僕みたいなもんが来るところじゃあないですもんね失礼いたしました失礼いたしました!もう二度と来ませんよ、次に敷居をまたぐ時があるとしたらその時は腹にダイナマイト巻いてる時ですかね!ワックスもつけて頂かなくて結構です!俺みたいなオシャレもわからん田舎者は頭に手ぬぐいを巻いて帰りますのでワックスもつけて頂かなくて結構です!!」みたいな感じになって、心の中で「二度と行かねぇ」って誓いながら店を後にする感じなので、それに比べればマシだったってだけですから。喋り下手で口数少ないので、変にこっちを刺激することもなく「いつもの感じで」って言えばいつもの感じで切ってくれる程度の及第点極まりないだけの存在なので、今回新たに担当してくれる人がその及第点を易々と越えて来る可能性は大いにあるんですよ。

そういう可能性がある時に何を思うかっていうと、「そのライン越えてくるな!頼むから下手であってくれ!」っていうことですよね。

だって、そこでいつもの人より上手に切ってもらっちゃったらやっぱ次回もその人に切ってもらいたいなと思うじゃないですか。一度高いところを味わってしまったら水準を下げて元に戻すのが難しいってことは小室哲哉の凋落を知ってるみなさんもご存知のとおりじゃないですか。そりゃまたいつも馴染みだった相対的にちょっと下手な兄ちゃんに切ってもらおうとは僕も思えないじゃないですか。でもな~、それもな~、だって、じゃあ次回もまたお姉さんにお願いしますねって言ったところでもちろんそれまで切ってくれてたお兄さんもその店にいるわけじゃないですか、それがやだな~っていう、いや別にねお兄さんに申し訳ないなとかは全然思わないんですよ、客商売ってそういうもんじゃないですか、お兄さんもいちいちそんなこと気にしないだろうし客としてより良いサービスを受けたいですっていうのは全然自然なことだと思いますよそこに後ろめたさはないんですけど、でもな~、だって俺今まで「まぁ別に髪なんてある程度短くて邪魔にならなけりゃ何でもいいですから」みたいな顔で髪切ってもらってましたから、そこでね、今更一年とか通ったタイミングで「やっぱこの人に切ってもらいたいです」ってなったらやっぱお前気にしてるんじゃんちょっとでも格好良く切って欲しいなって思ってんじゃねえかって思われるんじゃないかと思うと、もう気が気じゃないんですよね。だから、もう今回担当するこの女は頼むから「普通に腕がいつもの兄ちゃんより悪い」か「腕は兄ちゃんより良いけど性格や態度が合わない」のどっちかであってくれって願ってたんですけど、結論から言うと普通に会話してても良い感じだし仕上がりもいつもより良いっていう最悪の結果で。

もうどうしよっかなと思って帰ってきてからずっと胃が痛くて。これがいつもと違う店に行ったら随分よかったってだけの話であれば普通に乗り換えればいいだけなんで全然いいんですけど、何せ同じ店じゃないですか。いや最悪どっちでもいいんですよ、別に次回からこれまでどおりの兄ちゃんに戻っても別にいいんですけど、それはやっぱ自分の気持ちにどこかで嘘ついてるんじゃないか、でも姉ちゃんに移ってしまったらどう思われるだろうか、別にほんとどっちでもいいんですよ、どっちにも文句ないしどっちも嫌いじゃないんですけど、どちらかを選ぶということはどちらかを選ばないということで、それが大変っていうあだち充のヒロインみたいな心境になって、もうこんなに選ぶの辛いならあの店に行くのはやめてまたゼロから違う店探そうかなみたいな、いっそバリカン買って自分で風呂場に坊主にするのが一番みんな幸せなんじゃないかみたいな、ちゃんと寝てゆっくりした方がいい思考状態になっており、やがて「サイヤ人の一番羨ましい能力は、あいつら良い感じになったところでそれ以上髪が伸びなくなるところなんだよな」といういつもの結論に収束した後、また何かをきっかけに思考が乱れ、次回散髪が必要になるその時期まで繰り返し繰り返し発作のように自意識過剰オシャレコンプレックスの穴に潜る日々が続いていくのであった。以上です。

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