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タイのバーみたいなとこで外人とコミュニケーションした話を書く

タイ四日目くらいの話です。

その日は一日バンコクでショッピング、だいたい嫁のターンですが、まぁだいたいずっとそうなんですけど、そうなんですよ、今回僕は初めての海外旅行なわけなんですが、そもそも新婚旅行と兼ねている、兼ねてるちゃうわ新婚旅行そのものなんですけど。そして、僕の嫁さんはというと酒はいっさい飲まないし基本的に日付が変わる前に寝たいというタイプなもので、なかなか夜出かけようともならず自由時間がないんですけど。

四日目にも差し掛かると嫁さんも流石に身体にガタが出始めて、というかね、RPGというもののお陰で世界のいろいろなことが説明しやすくてすばらしいなと思うんですけど、海外旅行で馴れない気候・馴れない文化・何をやるにも言葉が通じないからストレスストレスという毎日をずっとやってると、最大HPが減ってくんですよね。初日6時間ぶっ続けで動けてたはずが四時間で休息が必要なようになってくるわけです。嫁がそんな感じでショッピングの荷物が増えすぎたところで一回ホテルに戻って昼寝したいみたいな感じになるわけですよ。時間はちょうど17時を回ったあたり。僕はチャンスだと思うわけですね。

僕はお酒が大好きでして、どれくらい好きかっていうと僕の平常時のおちんちんを見て貴方はきっと「何か黒ずんでるな」と思うでしょう。少し不思議に思いながら貴方は僕の前でベリーダンスを踊ります。とても艶めかしくセクシーにクネクネと舞います。すると僕のおちんちんはムクムクと大きくなりやがてギンギンになったところでちんちんにカタカナで「バッカス」と書いているのがわかる。「あ、黒ずんでると思ったのは、アレだったのか!彫ってる間どうやってずっとギンギンにしてたんだろう!?」みたいなそれくらいお酒が好きなんですよ。

お酒好きにも色々ありますけど僕はそもそもお酒自体が好きかつ、お酒を飲む場の自由な感じが好きという両方があるんですけど、なんかそういう若者が集うようなところはちょっと「うぇーい」みたいなノリがしんどいので、それでも酒を売ってる場所のあの知らん人に話しかけていい感じというのが好きなので色々試してはみてるんですけど、だいたい「うぇーい」を避けてると玄人っていうかただの常連が集う店に突撃してはつまんない奴のつまんない話を聞かされるハメになるので、そのつまんない話に対していかに自分が満足できてかつその場でもウケるおもしろ切り替えしができるかみたいなバッティングセンター感覚を楽しむはめになるんですけど。まぁ、そういうの好きなんです。

そして今僕がいるのはタイです外国です。酒飲み場に顔を出してみたくないわけがないじゃないですか。そういうわけで見知らぬ外人となんかウィットにトんだウェッティーな会話ができるかしらどうかしらと期待しながら僕は汚いバーに繰り出したわけです。今から書くのはそれです。

バンコクのなんとかってホテルに泊まってたんですけど汚い飲み屋が超たくさんあるんですね近所に。で、あるな~と思ってたんですけど基本嫁と二人行動となっている中でなかなか行くタイミングがないな永遠にないなと思ってたんですけど嫁の体調不良がその永遠をぶち破ったんで次の行動開始は18時すぎくらい、ということになったので、ガラスパリーン的な90年代の演出でぶち破られたのでさっそく飲みに行ったんです。

とりあえずぶらっとテキトーに店に入ってってテキトーな席に座って英語で「とりあえず生」的なことを言うと生じゃなくて瓶が一本出てきますね。で、それを飲んでるとなんかね、どこでもそうじゃないんだろうけど、胡散臭そうなところわざわざ選んでるんでそういうのがあったんでしょうけど、金払ったらホテルまでついてくんのかなみたいな女がたくさんいるお店にしたんですけどなんかその中の一人がおもむろに僕の肩を揉んでくる。たぶん「お兄さん旅の疲れはどう?凝ってるのは肩だけかしら?」みたいなことを言ってたんだと思うんですけど、あ、僕が感覚で全部意訳して書きますけど全部英語なんで、英語よくわからないんでジェスチャーとイントネーションと雰囲気と表情から察して8割想像の意訳なんですけど、「日本人のマラが凝るとその硬度たるや氷柱を3枚同時にぶち抜くと聞いてるけどどうなの?」みたいなことを言いながら肩を揉んでくるわけですけど、なんかその絡み方鬱陶しかったんで僕は「お、おで英語わがんね」みたいなことを言ってたら女は僕に絡むのをやめて2mくらい離れた席に腰掛けました。なんやねんその怒られた犬みたいな距離感。

ほんでまーテキトーに飲んでたらインド人がやってきましてね、タイにおけるインド人は大体バイキンマンみたいなポジションらしいんですけど、そいつがほんまにおるんかいって感じなんですけど僕に腕時計を売りつけようとしてくるわけです。「おう、ジャパニーズ、見てくれよこのイカした時計。欲しいだろ?この横のスイッチを押すとマッハで走れるんだぜ?」みたいなことを言ってきました。僕は「お、おで時計いらね」と返すわけですがこいつが全然引かない。うざいくらい引かない。「お、おで時計いらねぇしお前に出す金もないんだど。英語もしゃべれないからおまえの言ってることもわからねぇんだど」と僕は言うんですけど、それでも全然引かない。「まぁ聞け、まぁ聞くだけ聞けって。お得な話なんだよ。おれは手塚治虫が好きだ。火の鳥全巻持ってる。だから少し俺の話を聞け」みたいなことを流暢に全然聞き取れないけど捲し立てるのでこれは少し展開しない限りいつ引くのかわかんねぇなと思い僕は「い、いくらだど?」と尋ねました。インド人はきったない鞄から電卓を取り出す。「オーケーそれでこそトキワ壮の仲間だ。ざっとこんなもんさ、どうだ?」と言うので電卓の数字を覗いてみると4800バーツ。日本円に換算しようと思ったけどどうせ買う気がないしめんどくさいので省くけどとりあえず俺は「いらねぇど!そんな金があったらばるぼら買うど!」と答えますばるぼら全二巻ですけど。買う気ないんで言われても困るんですけどインド人はここから当然割引後価格を提示してきます。「まー待て、ジャパニーズ待てよ。今のは定価だから。ヨドバシで買ったらこれくらいするんだよ。あれは家賃とか人件費とか全部込み込みだから。だから高いんだよ。なぜさおだけ屋は潰れないかにそう書いてたから。ただ俺はあれだから、この時計作ってるところの工場長とマブだから。小学校が一緒で俺の方がドッジボール強かったからすごく安く仕入れられるんだよ。ブルガリ小学校っていうんだけど。俺の事は円盤投げのたけしと呼んでくれ。」みたいなことを言いながら3000バーツだの2500バーツだの提示してきます。「いらないいらない。買わないから。もういい。あとちょっと臭い。」って僕これは日本語で言ってましたけどインド人は食い下がります。「カーッ!ジャパニーズ、カーッ!お前は大したやつだよ。わかったよ1800バーツでいいよ。あーもうあれだな。今日の晩飯はチンジャオロースだったけど肉は無理だな。お前に1800バーツで売っちゃったら肉は無しだわカーッ。ただの中華風野菜炒めだわ。あーでもお前に1800バーツで売るんじゃ当然そうなるわな。はー、育ちざかりの子供もいるんだけど身長低くても闘えるスポーツ勧めることにするわプロボウラーに育てるわ。だからお前1800バーツでこれ買えよ。」みたいなことを延々言ってます。いい加減めんどくさいなと思ってたらここで助け舟を出してくれたのがさっきの売女です。いや売女か知らないですけど。

「ちょっとあんたやめなさいよ。この人は口が利けないから着ぐるみを相手にしながらガラクタみたいなおもちゃをカメラの前で作ることで生計を立てているのよ。だけどこの国にはストローがないから吹くと何かしらの厚紙が回転するおもちゃを作れないの。そしてあなたから時計を買うこともできないのよ。」みたいなことをたぶん女はインド人に言ってくれました。ちなみにこれはうちのおばあちゃんがマジで言ってたんですけどばあちゃんの死後に僕は普通にノッポさんが喋ってるのを見かけて「喋れるじゃん」と思ったやつを急きょ何となく混ぜた結果です。あとタイは普通にストローあります。それでもインド人はなかなか引こうとはせず「いや、でもほんとこれいい時計なんだぜ。俺のマブの工場長が手を使わないで口で作ったんだよ。だから俺はこれを売るんだ。」みたいなことを言ってるんですが、女が結構強く嗜めてくれて「もう!いい加減にしないとアッラーを一筆書きで書くよ!」とか言って、インドはイスラム教じゃないの知ってて書いてますけど、それでやっとこさインド人はどっか行きました。

よっしゃこの流れならちんちん大河とは離れた文脈でトークができるぞと思った僕は女に話しかけます。おでキャラのレパートリーが思ってたより無かったので普通に戻しますけど「いやー英語がわからんで困ってたので助かったよ、お礼にもう一杯ビールをくれ」みたいなことを言いました。いや、たぶん向こうの聴き取ってる感覚としてはおでキャラの方がよっぽど的確な描写なんだろうけどしんどいから。「私はサリバン先生。コミュニケーションに五感なんて要らないわ。あなたの名前は?」みたいなことをその女が言うので僕も拙い英語で答えます。

「俺の名前は金子賢(新人)。ケンと呼んでくれ。相棒はバトルロワイアル柴崎コウを射殺する役をやっていて超うらやましかったぜ。」

こうして自己紹介をしてみるとなんだかんだ何言ってるか分からないながらも何となく会話が進行していくのは不思議なものです。僕の名前をケンと分かったサリバン先生は店にいた他の女の子にも「この子はケンと言って英語もろくすっぽしゃべれないジャパニーズなんだけど素人に毛が生えた程度の実力で総合のリングに上がってPRIDEの権威を見事に失墜させたのよ」とか紹介してくれる、すると他の女の子も僕に自己紹介してくれるわけです。名乗るのでそれをオウム返ししてるだけでなんとなく会話になって、ラク。そんな中、女のひとりが名乗りついでにちょっと離れたカウンター席の方を指して言いました。「そして彼が私のダーリン」。みんなウケてたのでギャグだったのでしょう、糞つまんないセリフがギャグなのかどうか見分ける方法は世界共通です。本人ではなく周りのリアクションを見るのです。ピッチャーのモーションから球種が分からない場合はキャッチャーのモーションから盗むのです。

そのカウンター席に座っていたのは超男前の白人男性でした。年齢はどうなんだろう。俺と同い年かもっと若いか、ほんと映画から出てきたみたいな男前でしたが、この一人客はなんだかそこの店の女の子と大層意気投合してたようでなんだかえらいイチャイチャしております。この外人の男前ランクは相当なものですがそれにつけても僕も悲しいジャパニーズ、白人というだけでどうして私たちはその白人をえらい男前だと感じてしまうのでしょうか。実際のところはたぶんそんなに男前ではないのかもしれないと僕は思います。もし男前ならなんでわざわざこんな異国で肌の黒いゴミみたいな臭い街に住んでいる女性といちゃつかなきゃなければならんのでしょう。日本でよく見かける日本人女性と白人男性のカップルは大抵の場合女性の方が微妙でなんなんだという問題が昨今見られますが、結局お前ら実は自国でモテてないだろというシンプルすぎる結論にここ数年で辿り着いた僕はだからだいじょぶ男前にも物怖じしないぞという気持ちでその白人男性とのトークに踏み出しました。

しかし英語を操る白人というやつはどうしてこうも英語が通じて当たり前なのでしょうか。こっちはあんましゃべれないぞつってるのに何の配慮もなく高速で何か捲し立てております。「そうか、お前はジャパニーズか。俺は日本語あんまわかんねぇけどハローって言うのは何て言うんだっけな?待てよ、言うなよ、自分で考えるからまだ言うなよ」みたいなことを言ってる感じを僕はコメカミ押えてるジェスチャーから察しました。そしてこいつの絡み方めんどくせぇなと思いました。「えーとなんだっけな?ありがとうじゃないよな、そうかありがとうはサンキューか、じゃあなんだっけな、ここまで出かかってんだけどなぁ。いや、絶対俺わかるから言うなよ。当てられっから。俺のグランパがはだしのゲン全巻持ってて俺も読んだことあっから。いやほんとここまで出てんだけど。ギギギギギ。」としばらく考えていた白人でしたが遂に「おんどりゃー」という正解には辿り着けず「降参だ、わかんねぇから教えてくれ」と言うので僕はこういうのウケるんかなと思って「正解ならきっと彼女が知ってるよ」と店の女の子らに水を向けましたら超ウケました。外人ちょろっ。

それでまーこの後は白人と現地の店の姉ちゃん数人とで「こんにちわが昼でおはようは朝だ」とかどこから来ただのワイフと来ただの本当の世間話をするだけであんま面白くないし何より書いてて飽きてきたのでまとめるんですけど。

とりあえずわかったことは「なんとかなる」ということでした。そして「なんとかなる」にも関わらずどうもハードルが日本人にとって意外と高いというのもなんとなくわかった。なんでしょうかね、白人様は英語が世界語だこのやろーという感じなのかもわからんですが、まぁ店の姉ちゃんは商売なのもありましょうが、とにかく外人という奴らは言語による意思疎通ができないということをそれほどディスコミュニケーションとは感じていないんだなというのが喋ってる感じでよくわかりました。そして、それは単純に万国共通の事実であるわけですが、日本人はそこの認識がかなり薄いんだろうなというのも自分の心の機微を含めて強く感じました。しゃべってたらどうとでもなるんですけどねマジで。よくある日本人の失敗例の原風景としてアイキャントスピークイングリッシュとか言ったきりでその後何か言われたらニヤニヤしとくとかあると思うんですけど、それじゃ理解できてない具合は全然伝わらないわけですな。なので向こうは聞き取れてはいんのかなと思って引き続きしゃべってきたりとかするわけですがウンともスンとも言わないのでこれだからジャパニーズは気味が悪いんだ俺はお新香を食べたいだけなのにもう絶対吉野家なんか行かねぇし嘘ぴょん牛丼大好きゴロニャーンとかきっと外人に思われてるのでしょう。実際のところ、アイキャントスピークを伝えた後相手の言ってることをかなり聞いてる風の姿勢から眉と顎をサボらず全力で「ほげー?」という顔をすればかなり優しく丁寧にしゃべってくれるようになります。究極顔だけでなんとかなるわけです。いや、もうちょっと頑張れるところは頑張れよって話ですけど。そういうコミュニケーションに使う身体みたいなもんはやっぱ意識せにゃならんねという話です。「外人は」とか「日本人」は、とか主語をでかくすると本当かよって怪しくなってくるところではありますが、話しかけやすい佇まいと話しかけにくい佇まいというものはやっぱりあるようで、飯屋なんかをバーッと見渡してみていろんな人種がいるんですけど、なんかこう閉じてるような喋りかけにくい佇まいの奴がいるなと思ったらやっぱり日本人だなと思うことがあったりとか。なんなんだろうな、単純に単一民族でずっと島国に住んでたってのもあるでしょうし、教育水準が高いとかなんかでなんでも言語で処理するのが習慣化してるのとかもあるのでしょうか、そういうところで変に偏ってんのかなとか思いましたけど、本当に飽きましたのでまた気が向いた時に書くなど。なんかそういうことありましたねっていう日記のような、以上です。

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