←ズイショ→

ズイショさんのブログはズイショさんの人生のズイショで更新されます!

まずは体罰の導入によってパフォーマンスが向上する事例があることを認めましょう

この文章は体罰断固反対派の人間がお届けしていますこの文章は体罰断固反対派の人間がお届けしていますこの文章は体罰断固反対派の人間がお届けしています。

浜松日体高校バレー部顧問体罰動画の反響を受けて

http://togetter.com/li/565220

読みましたー。

繰り返しますが僕は体罰には断固反対です。僕がひたすらに一方的に殴る権利と僕が絶対に殴られない権利が一生涯保証されるなら少しは心も揺らぐかもしれませんがなにぶん僕はゴジラでもガメラでもないので何だか俺が殴られてもオッケーな空気が秋口の高い空とともにやってこない根拠はどこにもありませんので、そしてそれは僕の子どもにも友達にも平等にそうなので、であれば体罰はどんなケースであれ駄目だよねという風潮がお風呂の汚れのようにいつだってこびりついて鬱陶しい社会に生きたいなと僕は思っています。

そんな体罰断固反対派の僕の勝利条件というものはただただ「体罰が発生しにくい社会」になればそれで良いというだけの話で、暴力というやつはそれほどまでに理不尽で恐ろしいものだと思っておりますので、そこさえ取り除けてしまえば結構細部はどうでもいいなと考えています。

「洗脳」という言葉を用いることにそれほどの抵抗はありませんが、冒頭のリンク先を見る限りに愛だ優しさだ情熱だと体罰を肯定的に解釈する層が現状なんだかんだいるというのはこれは紛れもない事実です。彼らをどのように懐柔して体罰駄目だよ派に唆すかこそが僕の勝利条件の達成に不可欠な挑むべき大問題であり、それ以外の部分というやつは僕にとって驚くほど付随的で些細な話で詰まるところどうでもいいのです。

僕と同様に体罰反対派の人々のコメントを見て時たま歯がゆいなと感じるのは、例えば「体罰なんか使わなくても強いチームはいくらでもある」であったり「体罰を受けて体罰を肯定するようになる奴がまた体罰をするんだ」であったり、どうも体罰を撲滅しようという運動と並行して何らかの優越感を得ようとしているような人たちを見かけるということです。「あんなものを頼りにしている奴は馬鹿だ、あんなものに頼らずとも俺はやっていけている」というようなニュアンスが体罰ダメだよという至極真っ当な意見と同時進行で垂れ流されているということです。体罰無くす方向を作戦目標とした場合、上記のような考え方はぶっちゃけノイズだということを僕は言いたいのです。

「体罰を用いるのはダメですよ」ということを当たり前にするうえで、体罰を全否定することは果たして必要なことなのでしょうか。僕はここだけの話「体罰を導入したことでパフォーマンスが劇的に向上した組織」とかが存在すること自体は全然肯定して問題ないものだと考えています。そこから「だから体罰は用いてOKなんだ」とならないのであれば、別にそれはそれで一つの真理で差し支えないんじゃないかと思っています。それでも体罰は断固ダメだよに持っていったほうが体罰肯定派の人も溜飲が下がるのではないかとすら思っています。体罰は確かにうまくいけばパフォーマンスを向上させられるけども属人性に寄る部分がでかすぎるのでいちいちチェックはしてられないのが現実なのでじゃあもう一律禁止にしましょうかみたいな方向がベストなんじゃねぇのかなと言うのが本音です。例えばなんだか劇的に厳しくなった事例で言えば飲酒運転なんかが思い出されます。ちょっとやそっと酒飲んだってへっちゃらに運転できる人なんて現在でもなんぼでもいるんだろうなというのが僕の感覚値ですが、そのノリに乗っかって他人様の人生を台無しにしてる飲酒運転をうまく出来なかった人が枚挙に暇がないというのが僕や貴方と飲酒運転が洒落にならないほど重罪になった現状との馴れ初めなのではないかと思うのです。体罰もそういうノリになってくれるほかねぇよなというのが僕の所感です。もぐらたたきに些か疲れませんか、という話です。イケるだろと思ってたらどうもうまくイカなくて傷ついた人がいて、傷つけられた人が声を挙げ続けて、そうして今日の飲酒運転のアウトっぷりが確立されたのと同様に、「うまくいかなかった時の悲惨さ」というものを想像して共有して「そんな潜在リスク取ってんじゃねぇよ」という空気にするのが体罰問題に対する僕らの出来ることであって、返り血で真っ赤なモグラをトゲ付のハンマーでぶっ叩いて都度都度喜ぶような雰囲気というのはいい加減きついなと思って書いてみた次第でした。

まーここで話してるのは「指導の一貫としての日常的な体罰」に対する話であって、見通してやろうと目を細めるともっとすげぇ複雑なのは分かるんですけど、対岸の火事の他人事を遠距離射撃でぶっ叩けるこのインターネットの感じというやつは当事者からしたら取り返しがつかない後手後手だよという感覚を、もっと共有できればなぁと、僕はそんなことを考えています。以上です。